鉄と亜鉛が月経前症候群の軽減に有効

(2013年2月)"American Journal of Epidemiology" に掲載されたマサチューセッツ大学などの研究によると、生理前の女性に起きる月経前症候群(PMS)に鉄などのミネラル分の不足が関与している可能性があります。

研究の方法

25~42歳の女性 3,000人ほどに食事に関するアンケートに回答してもらい、PMSと診断されていた約1,060人と PMSの症状の出ていない約1,970人とで、ミネラル摂取量を比較しました。

結果

主な結果は次のとおりです:

1日あたりの鉄分の摂取量が20ミリグラム超の女性では、摂取量が10ミリグラムほどでしかない女性と比べて PMSのリスクが35%減少していました。 鉄分の摂取量を増やすのは簡単で、鉄分が強化されたシリアルなどを食べるだけです。

ただし鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があって、今回の研究によれば PMSの軽減に効果があるのは非ヘム鉄のほうです。 非ヘム鉄は野菜や鉄サプリメントに含有されています。 赤身の肉に含まれているのはヘム鉄です。

しかしながら研究者の推測によると、今回の研究でヘム鉄でPMS改善の効果が認められなかったのは、単にヘム鉄を非ヘム鉄ほど大量に含む食品が無いからかもしれません。 例えば、鉄分を強化したシリアル3/4カップには18mgの鉄分(非ヘム鉄)が含まれていますが、90グラムの肉に含まれる鉄分(ヘム鉄)はといえば2~3mgに過ぎません。

亜鉛

この研究では、1日あたり15mg超の亜鉛がPMSの軽減に有効であるという結果が出ています。 ただし PMS 軽減効果がみられれたのは何故かサプリメントの亜鉛だけで、食事に含まれる亜鉛ではダメでした。 研究者によると、亜鉛不足は憂鬱な気分や生理痛に関与している可能性があります。

カリウム

鉄や亜鉛とは逆に、カリウムの摂取量が多い女性では PMS のリスクが増加していました。 1日のカリウム摂取量が 3,700mg程度の水準にある女性では、PMS のリスクがカリウム摂取量が最低水準(2,300mg程度)にある女性と比べて46%増加するという結果でした。

カリウムを多量に摂取することで水分貯留(むくみ)に関わるホルモンの量が増加し、PMSになるリスクが増える可能性があるのだそうです。 カリウムは、膨満感・憂鬱・イライラなどの一因である可能性があります。

ただし研究者は、カリウムと PMS との関係は未だ確定的ではないしカリウムは健康にとって大切なミネラルだということで、米国の推奨許容量である 4,700mg/日を摂取することを勧めています。

日本におけるカリウムの摂取目標量は 3,000mg/日ですが、厚生労働省では高血圧を防ぐ観点から 3,500mg 摂取することを勧めています。

ナトリウム、マグネシウム、マンガン

今回の研究では PMS との関係は認められませんでした。

カルシウム
他の研究に、カルシウムを豊富に含む食事をすることで PMS になるリスクやPMSの症状を軽減できるとするものがあります。