月経不順の女性では卵巣ガンによる死亡リスクが増加

(2014年4月) "American Association for Cancer Research" の会合で発表予定の米国の研究で、月経不順の女性では卵巣ガンによる死亡リスクが増加するというデータが出ています。

卵巣ガンの90%はリスク要因が存在しないため卵巣ガンの検診を受けるべき人を絞り込めないのですが、今回のデータから、多嚢胞性卵巣症候群が原因である場合も含めて月経不順のある人は、早期に卵巣ガンの検診を受けておくと良いと考えられます。

今回の研究は 1959~1967年にかけて開始されたもので、1万4千人の女性を50年間にわたって、あるいは女性が亡くなるまで追跡調査するというものです。 女性たちはいずれも少なくとも一人は子供がおり、排卵誘発剤の使用歴はありませんでした。

この研究では、以下のいずれかに該当する場合に「月経不順」とみなしました:

  • 月経周期が規則的であっても周期が35日を超える場合
  • (閉経間近ではないのに)月によって月経周期が異なる場合
  • 排卵が行われない場合
月経不順が生じた平均年齢は26才でした。 研究期間中に卵巣ガンになった女性は103人で、そのうち20人に月経不順が見られました。 卵巣ガンが原因で亡くなったのは65人(他界時の平均年齢は69才)で、この65人のうち月経不順があったのは17人でした。

月経不順の女性では、月経周期が正常な女性に比べて、卵巣ガンで死亡するリスクが2.4倍になっていました。 また、(月経不順とは無関係に?)第一度近親者に卵巣ガン患者がいる場合には、卵巣ガンで死亡するリスクが3倍ほどになっていました。

この研究の女性たちの中に多嚢胞性卵巣症候群と診断された人はいませんでしたが、それはこの研究が開始された頃には多嚢胞性卵巣症候群という病気の存在があまり認知されていなかったためであって、実際には多嚢胞性卵巣症候群の人も含まれていたと思われます。

多嚢胞性卵巣症候群は月経不順の原因として知られていますが、研究者によると今回の研究結果にも影響している可能性があります。

米国の卵巣ガン専門家は次のように述べています:
「今回の結果は興味深いですが、(月経不順と卵巣ガンの死亡率増加との)因果関係を実証したものではないので、(月経不順があっても)過度に心配する必要はありません。 生理不順は大変一般的な症状で、その大部分は卵巣ガンとは無縁です。 生理不順が心配な場合には、医師に相談すれば卵巣ガンの恐れがあるかどうか分かります」