イタリアン・コーヒーをよく飲む人では冠動脈疾患のリスクが増加(1/2ページ)

(2015年5月) "PLoS ONE" に掲載された Fondazione IRCCS Istituto Nazionale dei Tumori(イタリア)の研究で、イタリアン・コーヒー(エスプレッソとモカ)により冠動脈疾患(心臓に血液を運ぶ血管である冠動脈が部分的にまたは完全に塞がれる病気。 心臓発作の原因になる)のリスクが増加するという結果になりました。
Grioni S, Agnoli C, Sieri S, Pala V, Ricceri F, Masala G, et al. (2015) Espresso Coffee Consumption and Risk of Coronary Heart Disease in a Large Italian Cohort. PLoS ONE 10(5): e0126550. doi:10.1371/journal.pone.0126550 (Licensed under CC BY 4.0)
エスプレッソとモカ

イタリアの軽食喫茶店(バール)で飲まれるコーヒーはエスプレッソが主流です。 エスプレッソとは、深炒りのコーヒー豆を細かく挽いたもの(1杯あたり5~7gを使用)に約90℃の熱湯を高圧で通過させて淹れるコーヒーのことです。 1杯の量は30ml程度になります。

エスプレッソが喫茶店で飲まれることが多いのに対して、モカは主にイタリアの家庭で飲まれてきました。 モカでは、アルミ製やステンレス製の三層から成るコーヒーメーカーを用いて、沸騰寸前の熱湯をコーヒー豆を高圧で通過させるという方法でコーヒーを淹れます。
「モカ」というとコーヒー豆の種類のことかと思いますが、ここで言う「モカ」はエスプレッソと同じくコーヒーの淹れ方のことなのですね 。 エスプレッソとの共通点は、高い温度の湯を用いるという点と、湯をコーヒー豆に通過させるときに圧力をかけるという点でしょうか。
研究の方法

この研究では、心血管疾患(心臓病や脳卒中)の病歴が無いイタリア人男女43,249人(男性 12,800人と女性 30,449人)のイタリアン・コーヒー飲用量を調査したのち、平均10.9年間にわたって冠動脈疾患(CHD)の発生状況を追跡調査しました。

さらに、43,249人から 1,472人を無作為に選んでコレステロールの血液検査を行い、イタリアン・コーヒーが血中脂質に与える影響も調べました。

結果

追跡調査の期間中におけるCHDの発生件数は804件でした。 イタリアン・コーヒーの飲用量が1日あたり1杯未満のグループに比べたときのCHDリスク(ハザード比)は次のようなものでした:

  • 1日あたり1~2杯のグループ- 18%の増加
  • 1日あたり2杯超~4杯のグループ- 37%の増加
  • 1日あたり4杯超のグループ- 52%の増加

この結果は、CHDのリスクに影響する種々の要因を考慮したうえでのものです。 イタリアン・コーヒーの飲用量の血中脂質への影響は見られませんでした。