時差ボケを薬で治せるようになる日が来るかも

(2013年10月) 京都大学の研究グループが、時差ボケの原因がバソプレッシンというホルモンにあることを突き止めました。 この発見が、時差ボケを治す薬の開発につながる可能性があります。

時差ボケでは、体内時計であるサーカディアン・リズムが狂うために、睡眠障害や、眠気、疲労感などの症状が起こります。 時差ボケは、タイムゾーンを超える回数が多いほど、滞在期間が短いほど症状がひどくなるのが普通です。 大部分の人は、1時間の時差ボケを治すのに1日かかります。

研究の内容

研究グループはマウス実験を行って「体内時計の総元締め」である視交叉上核を制御する脳の領域にバソプレッシンの受容体が大量に存在することを発見しました。 バソプレッシンは過去の研究で、愛情や寛容性などの感情に関与することが示されています。

さらに、遺伝子改造によりバソプレッシン受容体が欠けているマウスを用いて、昼夜のリズムを狂わせて、時差ボケと同じ目に会わせるという実験を行ったところ、バソプレッシン受容体を持たないマウスは、新しい昼夜のリズムに直ちに適応しました(時差ボケがすぐに治った)。

次に、バソプレッシン受容体を持つ普通のマウスを用いて、薬物によってバソプレッシンの作用を抑えるという実験を行ったところ、バソプレッシン受容体を持たない改造マウスほどではありませんでしたが、それでも3日間で新しい昼夜のリズムに適応しました。

この最後の実験で用いられた薬物による副作用は見られませんでしたが、この薬物を時差ボケの薬としてヒトが服用できるようになるまでには、まだまだ時間がかかります。