カンガルーケアは未熟児の脳の発達にもプラス

(2012年9月) "Acta Paediatrica" 誌に掲載されたフランスの研究で、カンガルーケアが、未熟児の脳の発達にも良い影響を与えることがわかりました。

過去の研究で、妊娠33週目よりも前に生まれた未熟児では、子供時代と思春期において、認知や行動に関する問題が多いことが指摘されていますが、未熟児であってもカンガルーケアで育てると、保育器で育てられた未熟児と違って、思春期の時点での脳の機能が、満期で生まれた子供と同じだったのです。

研究の方法

未熟児で生まれて保育器で育てられた若者18人と、同じく未熟児で生まれてカンガルーケアで育てられた若者21人(カンガルーケアの期間は平均で29日間)、そして普通に生まれた9人の若者を比較しました。

結果

未熟児のときにカンガルーケアで育てられた若者のグループは、複数の脳機能において普通に生まれた若者のグループに匹敵していました。 未熟児のときに保育器で育てられた若者のグループは、他の2つのグループよりも有意に逸脱していました。

解説

保育器内でも未熟児はたくさんの刺激を受けます。 そしてその刺激は往々にして、未熟な脳には強烈過ぎてストレスになります。 カンガルーケアでは、大脳半球同士をつなぐ神経接続の発達にとって重要な時期に、親の心音や体温により神経系が刺激されます。 これにより短期的・長期的な脳の発達が促されます。

カンガルーケアと早期母子接触

日本周産期・新生児医学会などによると、「早期母子接触」と「カンガルーケア」は別物です。 「早期母子接触」とは、出産直後に分娩室で母親に赤ちゃんを抱かせる行為を指し、「カンガルーケア」は、NICUに入院中の赤ちゃんに、母親と接触する機会を持たせて健康状態を安定させたり絆を強めたりする行為を指します。

しかし最近では、分娩室での接触を指して「カンガルーケア」と呼ぶことが多いそうで、日本周産期・新生児医学会などでは、これを問題視しています。