ケトン食の抗てんかん効果の鍵を握る腸内細菌を特定

(2018年5月) "Cell" 誌に掲載されたカリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究(マウス実験)により、ケトン食の抗癲癇(てんかん)効果において重要な役割を果たす腸内細菌が特定されました。出典: Gut bacteria play critical role in anti-seizure effects of ketogenic diet, UCLA scientists report

研究の概要

マウスにケトン食を与えると、ケトン食を与え始めてから数日以内にマウスの腸内細菌の種類構成に変化が生じて癲癇発作の発生回数が減りました。

腸内細菌を持たないマウスでは、ケトン食を与えても癲癇への効果は見られませんでした。

腸内細菌の種類を特定

ケトン食を与えたマウスの腸内細菌を調べたところ、アッカーマンシア・ムシニフィラ菌パラバクテロイデス属の細菌が増加していました。 ケトン食の抗癲癇効果には、この2種類の細菌が関与していると考えられます。

2種類の細菌を投与してみた

そこで、この2種類の細菌を無菌マウス(腸内細菌を持たない)に投与してみたところ、(ケトン食による)抗癲癇効果が得られました。 どちらか1種類だけでは効果が得られませんでした。

神経伝達物質への影響

腸・血液・海馬(癲癇発作に深く関与する脳の領域)に存在する何百種類もの生化学物質の量を検査したところ、ケトン食により増加する腸内細菌によって腸内と血液中の生化学物質の量に変化が生じ、それが海馬の神経伝達物質の量に影響していることが明らかになりました。

この点に関して研究者は次のように述べています:
「(ケトン食により増加する)細菌によって、グルタミン酸の量に対するGABAの量が多くなっていました。 GABAはニューロンを抑制する神経伝達物質で、グルタミン酸はニューロンを興奮させる神経伝達物質です」