心臓に良い食事が腎臓にも良い。 塩分も控えめが良い

(2014年11月) "ASN Kidney Week" で発表予定の2つの研究によると、食事の改善が腎臓にとって有益です。

1つめの研究
National University of Ireland Galway(アイルランド)の研究では、544,635人を対象にアンケートを実施して食事が慢性腎疾患(CKD)に及ぼす影響を調べました。

その結果、心血管疾患(心臓発作や脳卒中など)のリスクを減らすのに有効な食事をしているグループでは、透析が必要となるリスクや腎臓が原因で死亡するリスクが16~23%低下していました。 心血管疾患のリスク減少に有効な食事とは、果物と野菜、不飽和脂肪酸(ナッツ類に豊富に含まれている一価不飽和脂肪酸や、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸など)を多く食べる食事です。 また、ナトリウム摂取量が多い(平均で4.7g/日)グループでは透析が必要となるリスクや腎臓が原因で死亡するリスクが増加していましたが、ナトリウム摂取量が普通のグループと少ない(平均で2.0g/日)グループの比較ではリスクに違いがありませんでした。 (つまり、塩分の摂り過ぎは良くないけれど、塩分摂取量を過度に制限しても意味は無い)

これに対してカリウムは、摂取量が多いグループでリスク(おそらく、透析が必要となるリスクや腎臓が原因で死亡するリスク)が減っていました。

2つめの研究
The George Institute for International Health(オーストラリア)の研究では、塩分摂取量を減らすことによってアルブミン尿(*)のリスクが下がるという結果でした。
(*) アルブミン尿とは尿中に過剰なタンパク質が存在することで、腎機能障害のマーカーです。 アルブミン尿は心臓発作や脳卒中のマーカーでもあります。
こちらの研究では、中国の120の農村(人口は合計で 2,000人ほど)を2つのグループに分けて、一方のグループでのみナトリウム摂取量を18ヶ月間にわたって制限するという試験を行いました。 こちらのグループの村には、ナトリウム量を減らしてカリウムを増やした塩が供与されました。

その結果、ナトリウム摂取量を減らしたグループの村人ではアルブミン尿のリスクが、もう一方のグループの村人に比べて33%低下していました。