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変形性膝関節症では食塩水よりもヒアルロン酸の注射が有効だが、それも品質次第

(2013年9月) "Clinical Medicine Insights: Arthritis and Musculoskeletal Disorders" に掲載されたメタ・アナリシス(過去の複数の研究の分析)によると、変形性膝関節症による痛みの軽減、および膝の機能の改善においては、関節内注射には食塩水よりもヒアルロン酸(HA)を用いるほうが有効です。

このメタ・アナリシスでは、膝の変形性関節炎の患者を対象に行われた29の無作為化試験(対象人数合計 4,500人)を分析しました。 これらの無作為化試験で用いられた HA 注射は、米国食品医薬局(FDA)に認可された6種類の製品でした。 2012年に発表された同様の研究では、今回のメタ・アナリシスと逆の結果が出ていますが、2012年の研究では、FDA に認可されていない HA 注射製品も多く含まれていました。

今回のメタ・アナリシスによると、関節内補充療法(HA 注射)によって、変形性膝関節症による痛みと機能障害が50%改善されます。 食塩水の注射よりも HA 注射のほうが効果が有意に高かったのですが、HA でも食塩水でも深刻な副作用は見られませんでした。

この結果は、2013年に米国の整形外科学会が行ったメタ・アナリシスの結果と異なりますが、整形外科学会によるメタ・アナリシスのデータにも、上述の2012年の研究と同じく、FDAが認可していない HA 製品が使用されたケースが含まれていました。

研究グループによると、今回のメタ・アナリシスには、末期の変形性膝関節症の患者数が少ないなどの欠点があります。

変形性関節症について
変形性関節症は進行性の疾患で、膝に生じるケースが最多です。 変形性関節症の発症におけるリスク要因は、加齢や、関節の外傷・ずれ、遺伝的な体質などですが、進行におけるリスク要因となるのは肥満です。

変形性関節症を治す方法は存在しないため、その治療では、痛みを緩和し、関節の機能を維持することを目的とします。 変形性関節症に対して一般的には、ダイエットや、運動、NSAID、 副腎皮質ステロイドの注射、HA 注射などが処方されます。 NSAID と副腎皮質ステロイドに関しては、特に、高齢者や心臓疾患あるいは糖尿病の患者では、使い続けると副作用の心配があります。 これらの治療法が効かないときには、関節置換手術を行うことも考慮します。