膝の痛みに鍼(レーザー鍼を含む)治療は効果が無い?

(2014年10月) "Journal of the American Medical Association" に掲載されたメルボルン大学(オーストラリア)の研究によると、中~重度の慢性的な膝の痛みには、レーザー鍼治療も普通の鍼治療も効果が無いようです。

鍼治療は膝の慢性痛の代替療法の中では最も一般的で利用者も増えていますが、その効果については議論が続いています。 レーザー鍼治療は、鍼の代わりに低強度のレーザーを用いてツボを刺激するというもので、一部の慢性痛に関しては有効であると考えられています。

今回の研究では、膝に慢性的な痛みを抱えている50才以上の患者282人を次の4つのグループに分けて、12週間にわたりそれぞれの治療を行いました:

  1. 何もしないグループ(対照群)- 71人
  2. 鍼治療を受けるグループ - 70人
  3. レーザー鍼治療を受けるグループ - 71人
  4. 模擬的な(効果の無い)レーザー鍼治療を受けるグループ - 70人
レーザー鍼治療に関しては、患者だけでなくの施術者にもレーザー鍼治療が本物か偽物かがわからないようになっていました(模擬的なレーザー鍼治療では、治療効果の無い種類のレーザーを用いたということでしょうか)。

主な結果は次の通りです:

  • 12週間の治療期間の終了後および1年後の時点で、膝の痛みおよび機能に関して、3のグループと4のグループとで有意な違いが見られなかった。

  • 治療期間が終了した時点では、1のグループに比べて2および3のグループ(4も?)では痛みがそこそこ改善されていたが、その効果は1年間は続かなかった。

  • 治療期間が終了した時点で、2のグループの膝機能は1のグループよりは改善していたが、4のグループと同程度だった。 そして、1のグループとの差も1年後には消滅していた。

  • 歩行時の痛みに関しては、治療期間が終了した時点で2のグループで改善されていたが、1年間は効果が続かなかった。

  • 生活の質などのその他の点に関しても、各グループ間での違いは見られなかった。
以上から今回の研究では、鍼治療(レーザー鍼治療を含む)の効果は心理的なものに限定されるという結果になりました。