L. ラムノサス菌の効果と副作用

ラクトバチルス・ラムノサス菌

ラクトバチルス菌というのが乳酸菌のことですから、ラクトバチルス・ラムノサス菌(L. ラムノサス菌)も乳酸菌の一種ということになります。

L. ラムノサス菌(Lactobacillus rhamnosus)はヒトの腸内に自然に住み着く細菌ではなく、一時的にしか腸内に滞在できないと思われますが、一時的にしか滞在できなくても、L. ラムノサス菌はプロバイオティクスとして人体の健康に有益な作用を及ぼします。
ラクトバチルス・ラムノサスGG菌

L. ラムノサス菌の中で最もポピュラーなのが恐らくラクトバチルス・ラムノサスGG菌(LGG菌)です。 LGG菌は 1983年に健康なヒトの腸内から発見されました。 「GG」というのはLGG菌の特許を取得した Gorbach 氏と Goldin 氏の頭文字に由来しています。

L. ラムノサス菌のうちニュースなどで具体的に名前が言及されるのはLGG菌ばかりですが、検索してみるとラクトバチルス・ラムノサス菌にはGG以外にも「E-97800」や「Lc705」などの種類が存在します。 培養されて一般向けに市販されているのが主にLGG菌で、それゆえにLGG菌に関する研究が多いということでしょうか。

LGG菌の特許明細書によると、LGG菌は胃酸や胆汁にも耐えて生き残り消化管にコロニーを形成します。

L. ラムノサス菌の副作用

幼児のように免疫系が発達していない人や、病気などで免疫系が弱っている人においては、L. ラムノサス菌によって敗血症のリスクが増加する可能性があるほか、LGG菌が原因で大腸内視鏡検査の後に心内膜炎になったと思われるケースが 2001年に報告されています。

それ以外では、L. ラムノサス菌の服用は概ね安全だと思われます。 フィンランドの調査でも、国民全体におけるLGG菌の摂取量が増加しているにも関わらず乳酸菌血症の発生件数は増加していないという結果になっています。

L. ラムノサス菌の健康効果
L. ラムノサス菌には次のような健康効果が期待されています:
  • 食品アレルギー

    ピーナッツ・アレルギーの免疫療法にL. ラムノサス菌を用いると治療成功率が80%にまで向上するという結果になった研究があります。

    牛乳アレルギーでも同様に、LLG菌がアレルギー治療に有効だと思われるとする研究があります。
  • 下痢
    複数の研究で、ロタウイルスを原因とする子供の下痢の予防にLGG菌が有効であることが示されています。 他の様々なタイプの下痢の予防については、大人にも子供にもLGG菌が有効だと思われます。
  • 風邪
    LGG菌が子供では風邪の予防に、大人では風邪の症状軽減に有効である可能性が複数の研究で示されています。
  • アトピー性皮膚炎
    LGG菌がアトピー性皮膚炎の治療および予防に有効である可能性がありますが、複数の臨床試験で結果が一致していません。 アレルギーを発症するリスクが高い子供たちを7年間追跡調査してLGG菌にアトピー性皮膚炎予防の効果が認められた試験が1つあります。
  • 腸管透過性
    子供の過敏性大腸症候群(IBD)や成人の飲酒に起因する腸管透過性(腸壁が栄養分など必要なものだけでなく有害な細菌までも通過させてしまうこと)がLGG菌によって軽減されるという結果になった研究がいくつかあります。
  • デトックス
    ヨーグルトとしてL. ラムノサス菌を摂取した妊婦でヒ素と水銀の体内量が減少するという結果になった研究があります。 水銀は胎児の脳の発達に悪影響を及ぼします。 無機ヒ素は胎盤を通過して胎児の脳に障害を引き起こしたり、奇形児のリスクを増加させたりします。
  • 不安感
    "Proceedings of the National Academy of Sciences"(2011年8月)に掲載された研究(マウス実験)によると、L. ラムノサス菌がGABA(γ-アミノ酪酸)神経伝達物質受容体に作用して不安感を緩和してくれるかもしれません。 GABAには神経を鎮静させる作用があります。
  • ダイエット
    "British Journal of Nutrition"(2013年)に掲載された研究では、L. ラムノサス菌が女性のダイエットを手助けしてくれる可能性が示唆されています。 L. ラムノサス菌を服用したグループは、プラシーボを服用したグループの2倍近くも体重減少量が多かったのです。 男性ではこのような効果は見られませんでした。
  • 骨粗鬆症
    更年期による骨密度の低下に腸内細菌が関与しているためにL. ラムノサス菌などのプロバイオティクスが骨粗鬆症の予防に有効かもしれないという研究があります。