脳を若々しく保つには新しい物事を学習し続けるとよい

(2016年1月) "Restorative Neurology and Neuroscience" 誌に掲載されたアラバマ大学などの研究によると、編み物や写真撮影などのように知的能力が要求される趣味を持つのが脳の機能を若々しく保つのに有益かもしれません。

研究の方法
39人の高齢者を次の3つのグループに分けました:
  • 高難度活動グループ: 物事を新しく学習することを要求される活動をするグループ。 毎週15時間以上をデジタル写真撮影・裁縫・デジタル写真撮影&裁縫の学習に費やす。 徐々に高度なことを習うようにした。
  • 低難度活動グループ: 社交活動や旅行・料理など新しい物事の学習を要求されない活動を週に15時間行うグループ。
  • プラシーボ・グループ: 音楽を聴く・簡単なゲームで遊ぶ・昔の映画を観るなど認知能力をほとんど要求されない活動をするグループ。

各グループにそれぞれの活動を14週間にわたって続けてもらい、その前後で認知能力のテストとfMRIによる脳の検査(血流から脳の活動を把握する)を行いました。 被験者の一部には、1年後にも認知能力のテストを受けてもらいました。

結果
14週間後、高難度活動グループにおいて①記憶力と②要求される作業の難易度に応じて注意力や意味処理(semantic processing)に関与する脳領域の活性を調節する効率とが向上していました。 脳機能の向上は1年後の再検査においてもいくらか維持されていました。 低難度活動グループでは、このような改善は見られませんでした。
作業の難易度に応じて脳領域の活性が変化するというのは若者の脳に見られる特徴です。 14週間の高難度活動を行う前には、簡単な知的作業にも脳が最大限に活性化(簡単な作業に脳神経を無駄遣い)していました。
コメント
研究者は次のように述べています:
「高度に知的な作業を要求される趣味を持つことで脳の機能が実際に変化し、脳の活動が若々しい状態へと回復すると言えそうです。 今後の研究では、今回の結果の普遍性を確認したり、そのような趣味が認知機能にもたらす効果が大きいタイプの人を特定したりしたいと思います」