LEDライトでアルツハイマー病を治療?

(2016年12月) "Nature" 誌に発表されたマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究(マウス実験)によると、LEDライトの照射でアルツハイマー病を治療できるようになるかもしれません。

概要

40ヘルツのリズムで点滅するLEDライトをアルツハイマー病がごく初期の段階にあるマウスに浴びせたところ、βアミロイド(アルツハイマー病患者の脳に蓄積するタンパク質)のプラークが減少しました。

1時間にわたる照射で、視覚皮質に蓄積したβアミロイドが半減しました。 ただし、24時間のうちにβアミロイドの量が元の水準に戻ってしまいました。

アルツハイマー病が進行したマウスを用いて、同様の実験を7日間にわたり行ったところ、LEDライトの照射によりアミロイドの量が著しく減少しました。 τタンパク質(アルツハイマー病患者の脳に凝集する)も減っていました。 ただし、この効果がどれだけ持続するかは現時点では不明です。

メカニズム

マウスの眼から入ったLEDライトが脳にガンマ波(脳波の一種)を引き起こし、それによってβアミロイドの生産が抑制されたり、βアミロイドのプラークを破壊する細胞(ミクログリア)が活性化したりするのだと考えられます。 アルツハイマー病患者でガンマ波に異常が生じることは以前から知られていました。

問題点
現時点で、この技術には次のような問題点が残っています:
  • ヒトでも同じ効果があるか?
  • LEDライトの照射で海馬(学習と記憶に関与する脳領域)のβアミロイドも減るか? ガンマ波を海馬に直接的に引き起こす実験ではβアミロイドが減少したが、眼から入ったLEDライトにそこまでの力があるか?