(2018年10月) "Journal of Epidemiology" に掲載された奈良県立医科大学の研究で、高齢者が余暇に行う活動と主観的な健康状態との関係が調査されています。
研究の方法
65才以上で障害を抱えていない男女 8,617人を対象とする横断調査で、余暇に行う14種類の活動の状況や主観的な健康状態(SRH)を調べました。
14の活動
運動・ガーデニング・音楽活動・創作活動・文化的活動・ゲーム・観光・芸術鑑賞・TV視聴・料理・ペット飼育・テクノロジーの使用・投資・賭け事。
主観的な健康状態(SRH)
次の質問をしました:
過去4週間における自分自身の健康状態は次のいずれに該当しますか?
- 素晴らしかった
- とても良好だった
- 良好だった
- まずまずだった
- 悪かった
- とても悪かった
「素晴らしかった」または「とても良好だった」と回答した人を、「SRHが良好である」とみなしました。
結果
運動習慣
運動習慣がある場合には(運動習慣がない場合に比べて)SRHが良好である人の割合(オッズ比)が次のように高くなっていました: 働いている男性+46%、働いていない男性+33%、働いていない女性+74%
料理
料理をする人はSRHが良好である人の割合が次のように高くなっていました: 働いていない男性+65%、働いていない女性+28%
音楽活動
音楽活動をする人はSRHが良好である人の割合が次のように高くなっていました: 働いている男性+44%、働いていない女性+59%
テクノロジーの使用
働いている男性に限り、テクノロジーを習慣的に使用する場合にSRHが良好である人の割合が41%高くなっていました。
TV視聴
働いていない女性に限り、TV視聴(*)をする場合にはSRHが良好である人の割合が31%低くなっていました。
(*) 1日あたりの視聴時間がどれくらいの場合なのかは不明。 たぶん、「余暇にはTVを観て過ごすことが多い」と感じた人が、余暇に行う活動としてTV視聴を挙げたのでしょう。 TV視聴は代表的な座って過ごす活動です。