職場で座りっぱなしの人は余暇に体を動かすとDNA損傷が少ないかも

(2019年2月) "Plos One" に掲載された国立国際医療研究センター(日本)などによる研究で、職場で体を動かさない人は余暇に運動をしている場合にDNA損傷が少ないという結果になっています。

DNA損傷について

Wikipedia によると、傷ついたDNAの修復が不十分であると老化やガンの原因となります。

Sports Medicine 誌に掲載のレビュー(テキサス大学など。 2008年)によると、運動をすると体内の抗酸化酵素が増加してDNA修復システムが強化されるなどして酸化ストレスによるダメージが軽減される可能性があります。

その一方で、Annals of The New York Academy of Sciences に掲載のレビュー(韓国。 2011年)によると、過酷な運動により相当な量の活性酸素種(ROS)が蓄積するとDNAが損傷を受ける恐れもあります。産業医科大学(北九州)による研究(2001年)でも、肉体労働に従事する人はDNA損傷の目安となる物質(8-OH-dG)の尿中濃度が高いという結果になっています。

研究の方法

日本の市役所に勤務する20~65才の男女501人(女性207人)を対象とする横断調査で、8-OH-dG と m7Gua というDNA損傷の目安となる物質の尿中濃度を調べたり、身体活動に関するアンケート調査を行ったりしました。

結果

職場で歩く時間が1日あたり30分未満の場合には、余暇に運動を行っていれば 8-OH-dG(P for trend = 0.06)と m7Gua の血中濃度が低かった(DNA損傷が少なかった)のですが、1日あたり30分以上の場合には余暇の運動と 8-OH-dG や m7Gua の血中濃度との間に関係が見られませんでした。

(職場で歩く時間が30分未満/日のグループと30分以上日のグループとを併せたデータで)余暇に行う運動の強度に分析すると、低強度の運動(ウォーキングや庭いじり)をしている場合には 8-OH-dG の血中濃度が、そして中~高強度の運動をしている場合には m7Gua の血中濃度が低くなっていました。