甘草の成分にパーキンソン病の薬と同じ作用

(2015年12月) "PLOS ONE" に掲載されたコーネル大学などの研究により、アスピリンの主な分解産物であるサリチル酸がGAPDHと呼ばれアルツハイマー病・パーキンソン病・ハンチントン病などの神経変性疾患に深く関与すると考えられている酵素と結合してニューロンの細胞死を防ぐことが明らかになりました。

GAPDHがニューロンの細胞死を防ぐメカニズム

GAPDH(グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ)はブドウ糖の代謝において中心的な役割を果たす酵素ですが、細胞内においても役割を有しています。

GAPDHは酸化ストレスにより変化してニューロンの細胞核へと入り込み、タンパク質のターンオーバーを促進して細胞死を引き起こします。

デプレニルというパーキンソン病の薬は、GAPDHが細胞核に入れないようにして(ニューロンの)細胞死を抑制します。 今回の研究では、サリチル酸がGAPDHと結合することによってGAPDHが細胞核へと入れないようにし、デプレニルと同様に細胞死を防ぐことがわかりました。

甘草の成分にさらに強力な作用
研究チームはさらに、漢方薬に使われる甘草(カンゾウ)という薬草に自然に含まれているサリチル酸の派生物がサリチル酸より強固にGADPHと結合しする(したがってGADPHの細胞内への移動を遮断して細胞死を防ぐ作用も強い)ことも発見しました。 この甘草に含まれるサリチル酸派生物を人工的に合成したものにも同じ作用が認められました。