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「感情の安定性」や「断固たる決意」などのライフ・スキルで素敵な人生

(2017年6月) "Proceedings of National Academy of Sciences of the USA" に掲載されたユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究によると、「ライフ・スキル」を十分に備えている人は年を取ってからも素敵な生活を送れそうです。

ライフ・スキルとは

ライフ・スキル(人生の技能)とは、社会生活を上手に綱渡りしていくうえで要求される自己制御能力のことで、自制心・勤勉性・根気よさ(物事をやり抜く決意)・対人能力・楽天性・感情の安定性などがこれに当たります。

勤勉性にしても感情の安定性にしても楽天性にしても根気のよさにしても、スキル(技能)ではなく先天的な気質であるとも言えるのですが、ライフ・スキルはいずれも少なくとも部分的には後天的に習得できる部分があるため「ライフ・スキル」と呼ばれます。

これまでの研究で、ライフ・スキルが進学や就職で有利に働くことが示されています。

研究の方法

英国に住む52才以上(平均年齢67才)の男女 8,119を対象にアンケート調査を行なって、次の5つのライフ・スキルの程度を調査しました:
  1. 勤勉性
  2. 感情の安定性
  3. 物事をやり抜く決意(*)
  4. コントロール感(†)
  5. 楽天性

(*) 原語は "determination(デターミネーション)"。 某ボクシング漫画で言えば「絶対にダウンするものかという断固たる決意」。 某バスケット漫画で言えば「ダンコ桜木」。

(†) 日常生活において生じる物事を自分がコントロールできているという感覚。
ライフ・スキルを所持しているかどうかは、次のように決定しました:
  • 勤勉性」「感情の安定性」: アンケートのスコアにおいて上位25%に入っていればライフ・スキルを所持しているとみなした。
  • 物事をやり抜く決意」「コントロール感」「楽天性」: アンケートのスコアが満点だった場合にライフ・スキルを所持しているとみなした。

そして、年齢・性別・親の社会経済的状態(収入・職業・教育水準など)・教育水準・認知機能といった要因を考慮しつつ、備えているライフ・スキルの数と人生の主観的および客観的な幸福度との関係を調べました。

結果

備えているライフ・スキルの数が多いほど、
  • 資産・収入・幸福感・人間関係が豊かで、
  • 抑鬱が生じることが少なく、
  • 慢性疾患や日常生活の妨げとなるような心身の障害を抱えていることが少なく、
  • 主観的にも客観的(*)にも健康状態も良好である
という結果でした。
(*) コレステロール値・ビタミンD血中濃度・C反応性タンパク質血中濃度・腹部脂肪の量。

5つのライフ・スキルのいずれも単独では、幸福度とのあいだに関係が見られませんでした。

スキル所持率

各ライフ・スキルを所持している人の割合は次の通りでした:
  • 勤勉性: 23.3%の人が所持
  • 感情の安定性: 29.5%の人が所持
  • 物事をやり抜く決意: 20.5%の人が所持
  • コントロール感: 40.7%の人が所持
  • 楽天性: 24.7%の人が所持

結果のグラフ

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グラフの解説

グラフ下の水平の目盛りがライフ・スキルで、グラフ左の垂直の目盛りが人生における幸福の尺度となる各項目です。 水平の目盛り左側の "Low" というのがライフ・スキルを1つも所持していないスキル貧乏で、目盛り右側の "4,5" というのがライフ・スキルを4つまたは5つ所持しているスキル・エリート。

大部分の項目において綺麗な右肩上がり、あるいは(孤独や抑鬱など有難くない項目では)左肩上がりになっていることがわかります。