悲報: 少量の飲酒でも乳ガンになりやすくなる

(2016年6月) "Alcoholism: Clinical and Experimental Research" 誌に掲載された国際がん研究機関などによる研究(レビュー)で、少しだけお酒を飲む習慣がある場合にも乳ガンになりやすくなるという結論になっています。出典: Even Light Drinking May Increase Breast Cancer Risk

研究の歴史

アルコールは 1987年に発ガン性物質であることが確認されました。 2007年には、アルコールと乳ガンの因果関係が認められました。 2014年になってアルコールにより乳ガンのリスクが増加することを示す強力なデータが発表されましたが、飲酒量が少量である場合にも乳ガンのリスクが増加するのか否かについては議論に決着がついていません。

レビューの概要
メカニズム
アルコールが乳ガンのリスクに影響を及ぼすメカニズムを調べたこれまでの研究を調査したところ、アルコールが次の3点を通じて乳ガンのリスクに影響していることがわかりました:
  1. ホルモン量の変動およびこれに伴う生物学的経路
  2. エタノール(アルコール)が体内で代謝されているときに生じる発がん性物質
  3. 一炭素代謝(one-carbon metabolism)と呼ばれる経路の阻害
メタ分析

飲酒(少量の飲酒を含む)と乳ガンのリスクの関係を調べた15のメタ分析のうち、13のメタ分析で飲酒量が多い人は乳ガンのリスクが高いという関係が認められていました。

人口寄与割合
人口寄与割合(Population-Attributable Fraction)と呼ばれる手法を用いて世界的なデータ(*)を推算したところ、2012年に飲酒を原因とする乳ガン発症と乳ガンによる死亡の件数が、14万4千件と3万8千件となった。 これらの件数に飲酒量が少量の女性が占める割合は、乳ガン発症では18.8%、乳ガンによる死亡では17.5%だった。
(*) 飲酒量のデータは Global Information System on Alcohol and Health から、ガンの発生率と死亡率のデータは GLOBOCAN から入手した。
結論
上記の結果から研究チームは「少量の飲酒も含めて飲酒が乳ガンの発症や乳ガンによる死亡に及ぼす影響は大きい」と結論付けています。