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リノール酸は慢性炎症は促進するどころか抑制する?

(2017年11月) "European Journal of Clinical Nutrition" に掲載された東フィンランド大学の研究で、オメガ6不飽和脂肪酸(以下「オメガ6PUFA」)の一種であるリノール酸(リノレイン酸)の血中濃度が高くても慢性炎症の指標の1つであるCRP値が高いどころか低いという結果になっています。

研究の方法

フィンランドに住む42~60才の健康な男性 1,287人のオメガ6PUFAとCRP(C反応性タンパク質)の血中濃度を調べました。

結果

リノール酸の血中濃度が低いとCRP値が高いという関係が見られました。 リノール酸血中濃度に応じてデータを4つのグループに分けた中で血中濃度が最高のグループは最低のグループに比べて、CRP値が一定の水準(3mg/L超)を超えているリスクが53%低くなっていました。

アラキドン酸・γリノール酸・ジホモ-γ-リノレン酸といったオメガ6PUFAの血中濃度とCRP値とのあいだには関係が見られませんでした。

解説

体内でリノール酸が変換されて生じるアラキドン酸(これもオメガ6PUFA)から炎症を促進する化合物が生み出されるため、リノール酸の摂取量が多いと軽度の慢性的な炎症が促進されて慢性疾患(心臓病や2型糖尿病など)のリスクが増加する恐れがあります。

その一方でこれまでの複数の臨床試験で、リノール酸の摂取量が非常に多い場合にもアラキドン酸の血中濃度が増加したり炎症が増加したりすることはないという結果になっています。 今回の結果はそうした結果と合致します。

アラキドン酸から体内で作り出される化合物は炎症を促進するものばかりではありません。 炎症を緩和する化合物もアラキドン酸から作り出されます。

リノール酸を多く含む食品

リノール酸の摂取量が多いとリノール酸の血中濃度が高くなります。 リノール酸はベニバナ油やヒマワリ油などの野菜油に大量に含まれています。 含有率は少し下がりますが、コーン油・大豆油・ゴマ油などもリノール酸を多く含有しています。