高血圧の薬で唇のガンのリスクが増加

"Archives of Internal Medicine" 誌(2012年9月)に掲載された研究で、高血圧の薬の中に、唇のガンのリスクを増加させるものがあることが示唆されています。

この研究は白人のみを対象にしたもので、1994~2008年の期間に唇のガンと診断された712人を、これらの人と同じ北カリフォルニアに住む同年齢、同性の人たち2万3千人と比較しました。

その結果、唇のガンになるリスクが、ヒドロクロロチアジドという利尿剤を5年間以上服用し続けると4倍以上に、さらに、ニフェジピンというカルシウム拮抗薬では2倍になっていました。

これらの結果は、唇のガンのリスク要因である喫煙を考慮に入れたうえでのものです。

ヒドロクロロチアジドは光線感作性の薬物なので、服用した人は日光に過敏になります。 すぐに日焼けしたり、日光に当たると発疹ができたりするのです。 過去の研究でも、光線感作性薬物と皮膚ガンの関係が明らかになっています。

研究グループによると、唇のガンは稀な病気(米国では10万人あたり0.7人が発症)なので、これらの高血圧薬で唇のガンののリスクが増えるにしても服用するメリットの方が大きいけれども、肌が特に色白だったり、長時間日光にさらされるなどの人では注意が必要で、唇を保護するべきだということです。

紫外線を防ぐには、唇に日焼け止めを塗ったり、つばの広い防止をかぶったりするなどの方法があります。

高血圧の薬には上述のヒドロクロロチアジドとニフェジピンの他に、光線感作性ではないアテノロールという薬もあるのですが、こちらの薬では唇ガンのリスクは増えませんでした。 つまり、高血圧薬の作用自体に害悪があるわけではないということです。