脂溶性の抗酸化物質の血中濃度が高い人はテロメアが長い

(2018年7月) "Lipids in Health and Disease" 誌に掲載されたチャルマース工科大学などによる研究で、脂溶性の抗酸化物質の血中濃度が高い人はテロメアが長いという結果となりました。

研究の方法

米国に住む男女6千人弱(平均年齢47才)の血液を検査して、白血球のテロメアの長さや脂溶性の抗酸化物質(*)の血中濃度を調べました。
(*) αカロテン・βカロテン・βクリプトキサンチン・αトコフェロール・γトコフェロール・ルテイン/ゼアキサンチン・レチノール(ビタミンA)など。

結果

αカロテン・βカロテン・βクリプトキサンチン(柑橘類に豊富)・ルテイン/ゼアキサンチン(ケールやホウレン草に豊富)の血中濃度が高い人はテロメアが長いという結果でした。

結論

今回の結果から、抗酸化物質が豊富な食品がテロメアの維持に役立つのではないかと期待されますが、抗酸化物質がテロメア維持に本当に有効かどうかをランダム化比較試験や前向きコホート研究で調べる必要があります。

テロメアとは

テロメアとは、染色体の両端にあって染色体同士が癒着したり変質したり(ガンの原因になる)しないように保護している部分のことです。 染色体が靴紐であるとすれば、テロメアは靴紐の先端のキャップに該当します。

テロメアは細胞が分裂するたびに(つまり老化により)短くなってゆきます。 そして、テロメアが失われた染色体は不安定になります。 通常はテロメアが一定以下の長さになった時点で細胞が破壊されますが、このような破壊を免れた細胞はガン化します。

テロメアと健康

細胞が分裂するたびに短くなっていくというテロメアの性質のため、テロメアは肉体の老化度を知るための指標として用いられます。

また、ガン・心臓病・脳卒中・認知症・肥満・骨粗鬆症・感染症・糖尿病・高血圧・抑鬱などの病気を抱えている人はテロメアが短いというデータがあります。 テロメアが短いとこうした病気のリスクが増加するのかもしれませんし、こうした病気によってテロメアが短くなるのかもしれません。

テロメアと抗酸化物質

テロメアは細胞分裂のほか酸化ストレスなどによっても短くなります。 酸化ストレスとは、体内で活性酸素種(ROS)と抗酸化物質のバランスが崩れてROSが過剰となった状態のことです。