市販のマウス・ウォッシュに淋病を抑制する効果?

(2016年12月) "Sexually Transmitted Infections" 誌に掲載された Melbourne Sexual Health Centre(オーストラリア)などの研究によると、マウス・ウォッシュ(洗口液)として市販されているリステリンに淋病の原因となる淋菌を退治する効果があるかもしれません。

リステリンのメーカーは19世紀末にも「リステリンに淋病を治す効果がある」と主張していましたが、この主張を裏付ける研究は発表されていませんでした。

研究の概要
生体外実験
様々な濃度(最大で33倍に希釈)のリステリン(*)と食塩水(比較対照用)とで、培養した淋菌(N. gonorrhoeae)の成長を抑制する効果を比べたところ、リステリンに淋菌を1分間さらすことで淋菌の数が減少しました。 ただし、淋菌を減らす効果があったリステリンの濃度は5倍の希釈(1:4)までで、それを超えてリステリンを薄めると効果は失われました。 食塩水には淋菌を抑制する効果がありませんでした。
(*) クール・ミントとトータル・ケアの2種類。いずれもアルコールを21.6%含有。
ヒトの試験

喉に淋菌が感染している男性58人を2つのグループに分けて、一方のグループ(33人)にはリステリンで、そしてもう一方のグループ(25人)には食塩水で、それぞれ1分間うがいをしてもらったところ、咽頭の表面において食塩水のグループでは84%の淋菌が依然として生存力を有していましたが、リステリンのグループで生存力を有していたのは52%に過ぎませんでした。

さらに、うがいの時間を5分間に延ばすと、喉の淋菌検査で陽性となる率が、食塩水でうがいをした場合に比べて80%低下しました。

リステリンは、扁桃窩(喉ちんこの両脇)では大きな効果(86%の低下)を発揮しましたが、中咽頭後部ではあまり効果がありませんでした(54%の低下)。 口をゆすぐだけでなく、しっかりとウガイをすると良いかもしれません。

留意点

リステリンの淋菌抑制効果が長時間は続かない可能性もあります。 今回の研究は予備的なものに過ぎませんが、リステリンの淋菌を抑制する効果を調べる大規模な試験が現在すでに進行中です。

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今回の研究にリステリンのメーカーは関与していないようです。Australian National Health and Medical Research Council が研究資金を提供。