肝臓ガンのリスク要因に関するレポート

(2015年3月) WCRF International のレポート(*)に肝臓ガンのリスク要因がまとめられています。
(*) World Cancer Research Fund International/American Institute for Cancer Research. Continuous Update Project Report: Diet, Nutrition, Physical Activity and Liver Cancer. 2015.
調査方法

このレポートでは、食事・体重・運動量が肝臓ガンのリスクに及ぼす影響を調べることを目的として、世界各地で行われた肝臓ガンのリスクに関する34の研究のデータを分析しました。 データに含まれていた人数は820万人で、肝臓ガンの症例数は 24,500件でした。

リスクを増加させる要因

肝臓ガンのリスクを増加させる要因は次の通りとなりました:

  1. 飲酒(*)
  2. アフラトキシン(†)
  3. 肥満

(*) 1日あたりアルコールを45g以上。 45gというのはビールに換算して350ml缶を3本ほどになります。

(†) アフラトキシンはカビ毒の一種で熱帯・亜熱帯地域に主に生息するアスペルギルス菌が作り出します。 この毒素は調理時の加熱によっても分解されません。 アフラトキシンは日本では主に輸入食品から検出されます。 基準値以下のアフラトキシンはナッツ類や香辛料、ドライフルーツなどの輸入食品から頻繁に検出されています。 これまでに基準値を超えるアフラトキシンが検出された輸入食品は、ピスタチオを始めとするナッツ類、米、そば粉、ホワイト・ペッパー、ピーナッツバターです。
リスクを減少させる要因
コーヒーを飲むことで、肝臓ガンのリスクが1日1杯あたり14%低下するという結果でした。 ただし、性別で分析すると、女性では統計学的に有意と言えるほどのリスク低下は見られませんでした。 魚食と運動にも、肝臓ガンのリスクを低下させる効果があるかもしれませんが、今回のデータだけでははっきりした結論は出せません。
今回のレポートではリスク要因かどうかが不明なモノ
次に関しては、肝臓ガンのリスクを上げたり下げたりする要因となるのかどうかが不明です:
シリアル(コーンフレークなど)、デンプン質(ジャガイモなど)でない野菜、果物、ピーナッツ、獣肉や鶏肉、塩魚、紅茶、緑茶、グリセミック指数、カルシウムやビタミンDのサプリメント、ビタミンC、水源(井戸水か水道水かなど)、低脂肪食
シリアルや、一部の野菜、果物はアフラトキシンによる汚染の可能性がある(肝臓ガンのリスクを増加させる)ということで調査対象となったようです。
前回のレポートからの変更点
WCRF International は 2007年にも同様のレポートを発表しています。 今回のレポートで目新しいのは、魚食・肥満・コーヒー・運動に関するデータです。 飲酒に関しては今回のデータにより前回のレポートの結論が補強されました。 アフラトキシンに関しては前回のレポートから変更がありません。