大気汚染も肝斑のリスク要因

(2016年2月) "Journal of Investigative Dermatology" に掲載されたライプニッツ環境医学研究所(ドイツ)などの研究によると、自動車やバイクなどの排気ガスを原因とする大気汚染により肝斑のリスクが増加する可能性があります。 交通由来の大気汚染がひどいと50才超の女性に肝斑が生じやすいというのです。

肝斑とは

肝斑とは、メラニン色素細胞の増加が原因で皮膚の一部が暗い色に変色する(シミができる)ことです。 肝斑は茶色であるのが一般的ですが、黄褐色~黒色であることもあります。

肝斑が生じる場所は一般的に顔・前腕・手・胴体上部など日光にさらされることが多い部分で、最初は小さかった肝斑が大きくなったり、複数の肝斑同士がくっついて大きくなったりすることもあります。 肝斑は一般的に良性ですが、前ガン性のものであるケースもあります。

肝斑のリスク要因は、日光(紫外線)への暴露・加齢・肌の色の薄さなどです。 肝斑(英語でも "liver spots" と言う)という名前とは裏腹に、肝臓も肝機能も関係していません。

研究の方法
次の2つのグループのデータを分析しました:
  • ドイツ在住の白人女性806人のグループ。 年齢は67~80才(平均73.5才)で、20%に喫煙歴がありました。 日光に当たる時間は1日あたり平均2.5時間でした。
  • 中国の漢族の女性743人のグループ。 年齢は28~70才(平均59才)で、20%に喫煙歴がありました。 日光に当たる時間は1日あたり平均3.5時間でした。

日焼け止めの使用率は、ドイツ人女性のグループが61%、中国人女性のグループが4.2%でした。

二酸化窒素(NO2)への暴露量の平均値は、ドイツ人女性のグループが28.8μg/m3、中国人女性のグループで24.1μg/m3でした。

結果

手の甲と前腕に関しては、NO2濃度と肝斑の形成との間に関係が見られませんでした。 しかしながら頬に関しては、ドイツと中国いずれのグループでも50才超の女性に限って、NO2濃度が高いと肝斑が生じている率が高くなっていました。

ドイツ人女性のグループでは、NO2濃度が10μg/m3高くなるごとに肝斑のリスクが25%増加していました。 中国人女性のグループでも、50才超の女性に限るとNO2濃度が10μg/m3高くなるごとに肝斑のリスクが24%増加していました。

感度分析では、粒子状物質よりもNO2の濃度のほうが肝斑のリスクへの影響度がわずかに強いという結果でした。