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孤独感を抱えている高齢者は独居でなくても死亡リスクが増加

(2016年9月) ウサギが寂しいと死ぬというのは迷信だそうですが、"Psychosomatic Medicine" 誌に掲載されたボルドー大学(フランス)の研究によると、ヒトは寂しいと死にやすくなるのかもしれません。 この研究で、孤独を感じていた高齢者は20年間超のうちに死亡することが多かったのです。

研究の方法
自宅で生活しているフランス人高齢者 3,620人の生活環境と孤独感(*)をアンケートで調査したのち、22年間にわたり死亡状況を追跡調査しました。 データの分析においては、年齢・性別・教育水準といった死亡リスクに影響する要因を考慮しました。
(*) 「孤独」 が客観的に傍から見たときに人間関係が欠如している状態であるのに対して、「孤独感」 は本人が主観的に孤独を感じているという状態。
結果

データ全体のうちの約42%が一人暮らしで、約14%が孤独を感じていました。 孤独を感じていたのは大部分(80%超)が女性で、孤独を感じていた人の平均年齢は76.5才でした。追跡期間中に死亡したのはデータ全体の約87%でした。

一人暮らしだった高齢者では、22年間のうちに死亡するリスクが14%高くなっていました。 孤独を感じていた高齢者でも同様に、死亡リスクが20%高くなっていました。 健康状態を考慮しても、これらの数字の統計学的な有意性は失われませんでした。

独居と孤独感との間に統計学的に有意と言えるだけの交互作用が見られなかったことから、独居と孤独感は足し算的に作用する(*)のだと思われます。
(*) 一人暮らしであり尚かつ孤独を感じている場合に、単純に14%+20%の足し算で死亡リスクが34%増加するという感じ。
解説
今回の結果から、高齢者の一人暮らしによって死亡リスクが増加するのとは別途に、孤独感それ自体によっても死亡リスクが増加する可能性が考えられます。 ただし、死亡リスクが高い高齢者が孤独を感じやすいという可能性もあるでしょう。