大腸ガン患者は魚を食べると生存率が向上

(2016年7月) "Gut" 誌に掲載されたハーバード大学の研究によると、結直腸ガン(大腸ガン)の患者は魚に豊富に含まれている油であるオメガ3脂肪酸(DHAやEPAなど)を摂ると生存率が上がる可能性があります。出典: Marine ω-3 polyunsaturated fatty acid intake and survival after colorectal cancer diagnosis

これまでの研究では、オメガ3脂肪酸に腫瘍の成長を抑制したり、悪性腫瘍における血管新生(腫瘍への血液供給)を妨げたりする作用のあることが示されています。

研究の方法

30~55才の女性12万人超と40~75才の男性5万人超を平均10.5年間にわたり追跡調査したデータを分析しました。 データには、食生活・健康状態・生活習慣などの情報が含まれていました。 健康状態と生活習慣に関する情報は2年おきに、食生活に関する情報は4年おきに更新されました。

結果

追跡期間中に大腸ガンを発症したのは 1,659人で、そのうちの561人が死亡しました。 561人のうち大腸ガンが原因で亡くなったのは169人、心血管疾患(心臓病や脳卒中)で亡くなったのは153人、大腸ガン以外のガンで亡くなったのは113人でした。

長鎖オメガ3脂肪酸で死亡リスクが低下
大腸ガンと診断された人たちのうち、長鎖オメガ3脂肪酸(*)の摂取量が多かったグループは大腸ガンで死亡するリスクが減っていました。 長鎖オメガ3脂肪酸の摂取量が多いほど、大腸ガンによる死亡リスクが低下していました。
(*) 動物性の食品(魚介類)に含まれるオメガ3脂肪酸、つまりDHAやEPAのこと。 植物油などに含まれているαリノレン酸は短鎖オメガ3脂肪酸。
具体的な数字
長鎖オメガ3脂肪酸の摂取量(*)が1日あたり100mg未満のグループに比べて、摂取量が300mg/日以上のグループは大腸ガンで死亡するリスクが41%低下していました(†)。 この長鎖オメガ3脂肪酸と大腸ガンの死亡リスクとの関係は、背が高い人・BMIが25未満の人・アスピリンを常用していない人(‡)で顕著でした。

(*) 食事で摂るものとサプリメントで摂るものを含む。 ただし、オメガ3脂肪酸のサプリメントの服用者は数が少なかった。

(†) ただし、95%CIは微妙(0.35-1.01)。

(‡) 参考記事: アスピリンの常用で大腸ガン患者の生存率アップ

研究チームの計算によると、大腸ガンと診断された後に長鎖オメガ3脂肪酸の摂取量を1日あたり150mg以上増やした場合には、摂取量を増やさない場合や増やす量が20mg/日である場合に比べて、大腸ガンにより死亡するリスクが70%下がります。 逆に、長鎖オメガ3脂肪酸の摂取量を減らすと、大腸ガンにより死亡するリスクが10%増加します。

大腸ガン以外の死亡率
大腸ガン以外の死亡率に関しては、オメガ3脂肪酸の摂取量による違いは見られませんでした。