睡眠時間が短い場合よりも長い場合に2型糖尿病のリスクが増加

(2018年1月)"Sleep Health" 誌に掲載されたハワイ大学などの研究で、睡眠時間が短い場合よりも長い場合に2型糖尿病のリスクが増加するという結果になっています。 これまでにも複数の研究で、睡眠時間が長かったり短かったりすると2型糖尿病になりやすいことが示されています。

研究の方法

日系を含む米国人男女15万人超を対象に、睡眠時間を尋ねたのち8年間近くにわたり2型糖尿病の発症状況を追跡調査しました。 15万人超のうち1万人弱では、調査に参加してから9.6年後(追跡調査を終えたのち)に血液検査も行いました。

データの分析においては、2型糖尿病の発症リスクに影響するBMIなどの要因を考慮しました。

結果

追跡期間中に 8,487人が新たに2型糖尿病と診断されました。

1晩あたりの睡眠時間が7~8時間だったグループに比べて、睡眠時間が9時間以上だったグループでは2型糖尿病になるリスクが12%増加していました。

睡眠時間が6時間以下だったグループでも4%増加していましたが、こちらに関しては統計学的に優位な結果ではありませんでした(95% CI: 0.99-1.09)。

人種別に分析すると、睡眠時間が長いと2型糖尿病のリスクが高いという関係は、日系米国人(*)、そして持病が無いのに睡眠時間が長いという人で顕著でした。
(*) 他の人種は白人・黒人・ラテン系・ハワイ系。
血液検査の結果を見ると、睡眠時間が長い人はCRP(*)血中濃度とトリグリセライド(中性脂肪)値が高い一方でHDLコレステロール値とアディポネクチン(†)血中濃度が低いという関係が見られました。 レプチン(‡)やHOMA-IR値(インスリン抵抗性)と睡眠時間との間には関係が見られませんでした。

(*) C反応性タンパク質。 全身に生じている炎症の程度が反映される。

(†) 脂肪組織で作られるホルモンで、抗炎症作用とインスリンの効果を高める作用がある。 肥満者・2型糖尿病患者・心血管疾患患者ではアディポネクチン血中濃度が低くなることが知られている。 アディポネクチン血中濃度とガンの発症リスクや死亡リスクとの間に関係(必ずしも良い関係ばかりではない)があるというデータもある。

(‡) 脂肪細胞において作られるホルモン。 栄養を摂るとレプチンが生産されて「栄養が足りている」という信号を脳の視床下部に送る。 この信号により食欲が失せる。
この結果から、睡眠時間の長さが炎症・劣悪な血中脂質プロファイル・アディポネクチン血中濃度の低さを介して2型糖尿病リスクの増加につながっている可能性が考えられます。