遺伝子をいじらずにテロメア(寿命の指標)を長くすることに成功

(2016年6月) スペイン国立ガン研究センター(CNIO)の研究チームが、遺伝子改造を用いることなくテロメアが長いマウスを作り出すことに成功しました。 テロメアは老化の指標であり、長いほど残りの寿命が長くなります。 この研究の結果は "Nature Communications" に掲載されました。出典: Mice with hyper-long telomeres without altering the genes
研究の概要

研究チームは、テロメラーゼ(テロメアの長さを回復する機能を持つ酵素)を作る遺伝子の発現量に手を加えることによって、遺伝子そのものはいじることなくマウスのテロメアを2倍の長さにしました。

テロメアが長くなった細胞はマウスにおいて完全に機能しているように見受けられました。 マウスの生後0、1、6および12ヶ月の時点で組織を調べたところ、テロメアが長いからといって短くなるペースが速いということもなく、通常のテロメアと同じペースで短くなっていました。

テロメアが長い細胞はDNAに蓄積する損傷が少なく、損傷を修復する能力も優れていました。 そして、腫瘍が発生する率も通常のマウスより低くなっていました。

次のステップ
研究チームは現在、全細胞のテロメアが通常の2倍であるという新種のマウスを作ろうとしています。 この新種のマウスの作成に成功したあかつきには、次のような疑問が解決することが期待されます:
  • テロメアの長さが2倍のマウスは寿命も2倍になるのか?
  • 自然界には2つの種が遺伝子的に似ているのに寿命は違うというケースが存在するが、この寿命の違いはテロメアにより決定されるのか?
  • テロメアの長さが2倍のマウスではガンの発症率が下がるのか上がるのか?
    多くのガン細胞はテロメラーゼのせいで無限に増殖します。