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鉄のサプリで低出生体重児の学習障害などのリスクを抑止

(2012年12月) "Pediatrics" 誌に掲載されたウメオ大学(スウェーデン)などの研究で、体重が僅かに不足している新生児に鉄のサプリメントを与えるのが注意欠陥・多動性障害(ADHD)などの問題行動の予防に有効であるという結果になりました。

研究の方法

僅かに低体重(2,000~2,500グラム)の新生児285人を3つのグループに分けて、生後6週間~半年にわたって各グループに鉄のサプリメントを毎日、体重1kg あたり0mg、1mg または2mg 与えました。

そして、この新生児たちが 3才半になったときに精神医学的検査を実施し、その結果を出生時の体重が普通であった幼児たち95人の結果と比較しました。

結果

IQ スコアは、出生時の体重による違いがそもそもありませんでした。 低体重で生まれた子供と普通の体重で生まれた子供の間に差はなかったのです。 したがって、鉄サプリメントによる違いもありませんでした。

その一方で問題行動のリスクに関しては、出生時の体重による違いが見られ、同時に鉄サプリメントの効果もありました。

問題行動のある子供の率が、出生時に低体重であって鉄サプリメントを摂取しなかったグループ(0mg のグループ)では13%であったのに対して、出生時に低体重であって鉄サプリメントを1mg 摂取したグループや2mg 摂取したグループでは3%足らずだったのです。

この3%という数字は、出生時の体重が普通であった子供に生じる問題行動の割合と同じです。

補足情報

過去に行われた複数の研究では、低年齢の子供に鉄分を過剰に摂らせると発達が阻害されたり、胃のトラブルが生じたりすることがあるという結果が出ていますが、今回の研究では、鉄のサプリメントによる副作用は見られませんでした。

研究者は「出生時の体重が 2,500グラム以下の新生児には鉄のサプリメントを摂らせることを勧めたい」と述べています。

国立健康・栄養研究所によると、生後五ヶ月までの子供の鉄分摂取目安量が0.5mg、生後半年~11ヶ月の推奨量が5mgとなっています。