低炭水化物食で運動時の脂肪燃焼量が2倍以上に増加(2/2ページ)

結果

酸素背消費量・体感的な疲労度・カロリー消費においては両グループで大差ありませんでした。 しかし、運動が長時間に及んだときの脂肪燃焼率には大きな違いがありました。 高炭水化物グループの脂肪燃焼率のピークが0.67g/分だったのに対して、低炭水化物グループでは1.5g/分(2.3倍)だったのです。

運動中の脂肪の寄与率(*)についても、高炭水化物グループでは56%だったのに対して低炭水化物グループでは88%でした(それぞれ平均値)。
(*) 脂肪の寄与率 - contribution of fat。 エネルギー消費量に占める脂肪の割合のことでしょうか。
筋グリコーゲンにも差は見られず
低炭水化物グループは炭水化物の摂取量が少ないにも関わらず、安静時の筋グリコーゲン(筋肉のエネルギー源となる炭水化物)の量は正常でした。 さらに、①長時間を走っている最中におけるグリコーゲンの分解量と②回復期間中に筋肉で合成されるグリコーゲンの量も高炭水化物グループと同程度でした。
グリコーゲン

筋グリコーゲンは運動時の重要なエネルギー源です。 激しい運動を行うときのエネルギー要求に応えるための食事としてこれまで高炭水化物食が支持されてきた根底には筋グリコーゲンの存在があります。

しかし今回の研究者によると、食事に含まれる炭水化物の量が少なくてもグリコーゲンの量を維持する洗練されたシステムが人体には備わっています。
コメント
研究者は次のように述べています:
「低炭水化物グループに見られた脂肪燃焼率は、遺伝的体質やトレーニング内容の違いなど問題にならないほどの高水準でした。 人体が燃焼できる脂肪の量がこれまで過小評価されていました。 炭水化物の摂取量を制限することでのみ利用できる大きな能力が人体には眠っています」
「ケトン体質になるためのメカニズムは人体に自然に備わっています。 しかしこのメカニズムは、炭水化物を主たる栄養源とする食事により妨げられています。 炭水化物の摂取を制限してこのメカニズムを起動することによって、多数のスポーツ選手の健康と競技パフォーマンスが改善されます」
「今回の結果は、スポーツ栄養学におけるパラダイムシフト(根底的な変化)となるでしょう。 過去40年間における炭水化物に関する議論を全面的に再検討する必要があるかもしれません。 これまで考えられていたような簡単な話ではなかったのです」