心血管疾患や結腸ガンを予防する目的でのアスピリン常用はデメリットの方が大きい(1/2ページ)

(2014年12月) 心血管疾患(心臓発作や脳卒中)や結腸ガンの予防を目的としてアスピリンを低用量で日常的に服用することがありますが、"Heart" 誌に掲載された大規模な研究で、65才未満の女性の場合には低用量アスピリンの常用によるメリットよりもデメリットが大きいという結果になりました。

65才未満の女性では、低用量アスピリンの常用によって心臓発作、脳卒中、および結腸ガンのリスクが少し低下していたものの、その低下幅以上に胃腸の出血のリスクが増加していました。 この胃腸からの出血というのは、入院が必要となるほどに重大なものです。

65才以上の女性の場合にも低用量アスピリンの常用による同種の効果および副作用が見られましたが、副作用のリスクに見合うだけの予防効果がありました。

今回の研究に関与していない研究者は次のように述べています:

「心臓発作の病歴がある人においては、主治医が推奨する場合に限りますが、アスピリンの常用が心臓発作の再発防止などに有効であることに疑問の余地はありません。

しかし、心臓発作になったことが無い人が一次予防(再発防止ではなく病気の発生を未然に防ぐこと)を目的としてアスピリンを服用することのメリットとデメリットのどちらが大きいかに関しては、未だ明確な答えが存在しません。

アスピリンには、潰瘍や、胃からの出血、場合によっては脳内出血のリスクさえあります」

米国ガン学会は、結腸ガンの予防のみを目的として低用量アスピリンを常用することを推奨していません。 また米国心臓学会は、心臓発作のリスクが高い人のみが低用量アスピリンを常用すべきであるとしています。 米国食品医薬局(FDA)も最近になって、心臓疾患や脳卒中の一次予防を目的として低容量アスピリンを常用することに反対しています。

今回の研究に携わったハーバード大学の研究者は、65才未満の女性の大部分においてはアスピリン常用のメリットがデメリットに及ばない可能性があると述べています:
「個人的には、心血管疾患か結腸ガンのリスクが非常に高いと判明していない限りアスピリンを常用しようとはおもいません」