寒いと風邪を引きやすいのはウイルスではなく免疫の側の問題

(2015年1月)"Proceedings of the National Academy of Sciences" に掲載されたイェール大学の研究によると、低温によって風邪を引きやすくなるのは、低温によって風邪のウイルスが活発になるからではなく免疫機能の働きが衰えるためかもしれません。

この研究で、マウスの気道から採取した細胞を用いて、ライノウイルス(一般的な風邪の原因ウイルス)に対する免疫応答を37℃(肺の体温)のときと33℃(鼻の体温)のときとで比較したところ、33℃のときにはライノウイルスに対する自然免疫応答が衰えていました。

さらに、遺伝子改造によってウイルスを感知する免疫系センサーおよび坑ウイルス応答が欠如しているマウスから採取した気道の細胞を用いた場合には、37℃の環境でもウイルスが増殖していました。 この結果から、温度の違いに左右されるのがウイルス自体よりもむしろ免疫機能の方である可能性が強く示唆されます。
『仮に低温によって風邪ウイルスが活性化し、そのために寒い時期に風邪を引くことが増えるというのであれば、免疫機能に欠損が生じているマウスであっても37℃の環境ではウイルスは増殖しないはずだ』 ということでしょうか。
研究者は次のように述べています:
「温度が低いほど、ウイルスに対する自然免疫応答が低下するようです」
したがって風邪を予防するには、体が冷えないようにする、特に、体温が低くなる末端部であるうえに病原体にさらされることが多い鼻を暖かく保つのが風邪の予防に有効だと思われます。 ライノウイルスは20%の人の鼻に常在しています。