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ビタミンDが少ないと早死にしやすい

(2017年4月) "Circulation Journal" に掲載された九州大学の研究で、ビタミンDの血中濃度が低い人は死亡リスクが高いという結果になりました。

研究の方法

40才以上(平均年齢は62才くらい)の日本人男女 3,292人の体内におけるビタミンDの最終形態であるカルシトリオール(1,25-ジヒドロキシビタミンD3)の血中濃度を測定したのち、平均で9.5年間にわたり死亡状況を追跡調査しました。

データの分析においては、年齢・性別・健康状態・太り具合・生活習慣などを考慮しました。

結果

カルシトリオールの血中濃度の高さに応じてデータを4つのグループに分けた中で、血中濃度が最低だったグループは最高だったグループに比べて、総死亡リスクが54%高くなっていました。

死因別の分析
同様の比較で、心血管疾患(心臓病や脳卒中)による死亡に限ると105%、そして呼吸器疾患による死亡に限ると153%のリスク増加でした。 ガンで死亡するリスクとカルシトリオール血中濃度との間には関係が見られませんでした。
カルシトリオールの血中濃度
カルシトリオールの血中濃度は最も低いグループから最も高いグループにかけて次のようなものでした:
  • 54pg/mL未満
  • 54~65.3pg/mL
  • 65.4~78.1pg/mL
  • 78.2pg/mL以上
ビタミンD血中濃度の単位として一般的にはng/mlまたはnmol/Lが使われますが、それはビタミンD血中濃度を知るために測定されるのが一般的にはカルシフェジオール(25-ヒドロキシビタミンD3)というカルシトリオールの一歩手前の物質だからです。 今回の研究ではカルシトリオールの血中濃度を測ったために、pg/mLという単位になっています。
関連研究

これまでにも複数の研究で、ビタミンD血中濃度が低い人は心血管疾患などで早死にするリスクが高いことが示されています。

ガンに関しては、今回の結果と違ってビタミンD血中濃度が低いとガンで死亡するリスクが高いという結果になった研究が存在するほか、ビタミンDが不足していると乳ガン・大腸ガン・前立腺ガンなどの予後が悪いという研究が多数発表されています。

呼吸器疾患に関しても、これまでに複数の研究でビタミンDが風邪・インフルエンザ・肺炎の予防に有効である可能性が示されています。

ビタミンDの補給

ビタミンDは食品にも含まれていますが、日光が皮膚に当たることで主に補給されます。 日光に含まれる紫外線B波が皮膚に当たることでビタミンDが合成されるためです。

国立環境研究所(茨城県つくば市)の研究によると、冬の札幌でも76分間の日光浴で成人が1日に必要とする量のビタミンDを作れます。 スペインのバレンシアで行われた研究では、真冬の1月に 1,000IUのビタミンDを得るには130分間の日光浴が必要だという結果になっています。

十分なビタミンDを得るのに必要となる日光浴の時間は、服装(長袖か半袖かなど)や姿勢の影響を受けるので、日光にさらされる皮膚の範囲が狭ければ必要となる日光浴の時間が長くなります。 一般的には、日光に当たりすぎてもビタミンDが過剰に作られる心配はありません。

紫外線が肌に及ぼす悪影響が心配な場合には、ビタミンDのサプリメントを利用すると良いでしょう。 ただし、ビタミンDの摂取量が過剰であると心臓病や脳卒中で死亡するリスクが逆に増加するというデータもあるので、サプリメントの飲み過ぎには注意が必要です。
日光でビタミンDを合成する能力は年を取るほどに衰えてゆきます。