大気汚染で顔のシミが増える(レビュー)

(2019年1月) ライプニッツ環境医学研究所の研究グループが、大気汚染の肌への悪影響についてまとめたレビューを "Der Hautarzt" 誌に発表しています。
T. Schikowski and J. Krutmann. "Luftverschmutzung (Feinstaub, Stickstoffdioxid) und Hautalterung"

レビューの概要

  1. 近年の研究により、大気汚染が肌の老化を促進することが明らかになっている。 例えば、微粒子状物質(PM)や二酸化窒素(NO2)にさらされると、顔の肌にメラニン色素のスポットが生じやすくなる。 遺伝子的な体質(アリル炭化水素受容体のシグナル伝達経路)のために、PM2.5で顔にメラニン色素が生じやすい女性もいる。
  2. 生体外実験や生体実験では、有毒とみなされない程度の濃度のディーゼル排気ガスにヒトの皮膚をさらした場合にも、酸化ストレス反応を介してメラニンの新規合成が誘導され皮膚の色素沈着が増加することが示されている。
  3. 大気汚染による皮膚の色素沈着の増加の軽減や防止には、抗酸化物質やAHR(アリル炭化水素受容体)拮抗剤を含有し大気汚染に対抗する機能を有する化粧品が有効である。
  4. 紫外線(UV)も肌の老化や色素のスポット形成を引き起こす一因である。 現実の環境において、ヒトの肌は大気汚染とUVの両方に同時にさらされる。 対流圏に存在するPMはUVと相互に作用し合い、複雑なプロセスを経て肌の老化を促進する。