子供はオオカミ人間? 満月が子供の活動に及ぼす影響

(2016年4月) "Frontiers in Pediatrics" 誌に月齢(満月・半月・新月)と子供の生態との関係を調べた国際的な研究の結果が掲載されています。出典: Are Children Like Werewolves?

研究の方法
世界12ヶ国(*)に住む9~11才の子供 5,812人の活動量(†)を記録した合計3万4千時間分(7日分)のデータを用いて、月の満ち欠けと子供の生態との関係を調べました。

(*) オーストラリア・英国・ブラジル・中国・カナダ・米国・ケニヤ・南アフリカ・コロンビア・フィンランド・インド・ポルトガル

(†) 加速度計という腰に装着する計器で測定。 寝ているか起きているか、どの程度の激しさで動き回っているかがわかる。
結果

運動量と月齢との間には関係が見られませんでしたが、満月の日には新月の日よりも睡眠時間が5分(1%)短くなっていました。 国による違いは見られませんでした。

解説

月齢の違いにより子供の睡眠時間が変わる理由は不明です。 満月の月の明るさのために子供が寝付けないという可能性もなくはありませんが、「街灯などの人工の照明が氾濫している現代においては、この可能性は考えにくい」と研究チームは述べています。

パロロ・ワーム(*)と呼ばれる海洋性の無脊椎動物に月の満ち欠けに反応する体内時計が備わっていることから、人体にもそのような生物時計が備わっているという可能性も考えられます。
(*) 熱帯のサンゴ礁に住み、水中で見るとスパゲッティに似ているそうです。 世界の寄食大図鑑(気持ち悪い画像に注意)によると生あるいはバター炒めなどで食用も可。
今回の研究の弱点
子供たちは朝に学校に行くために毎日ほぼ同じ時刻に人為的に(親や目覚まし時計によって)目覚めさせられていると思われますが、それが月齢が睡眠時間に及ぼす影響に影響している(本当ならもっと寝てたはずなのに起こされた)可能性があります。
結論
研究チームは次のように述べています:
「5分という睡眠時間のわずかな違いに実際的な意味があるかどうかは甚だ疑問である」
類似研究
  • "Current Biology" 誌(2013年)に掲載されたスイスの研究では、33人の成人を被験者とする試験において、満月の頃には睡眠時間が20分短くなり睡眠の質も下がるという結果になっています。
  • 同じく "Current Biology" 誌(2014年)に掲載されたスェーデンの研究でも、47人の成人を被験者とする試験で、満月の頃には睡眠時間が25分減るという結果になっています。
  • これらに対して、"Sleep Medicine" 誌(2015年)に掲載されたスイスのコホート研究では、2,125人のデータに基づいて月齢と睡眠時間との間に統計学的に有意な関係は存在しないという結果になっています。
  • 2015年に "Clinical Obesity" 誌に発表されたデンマークの研究では、8~11才の子供795人を調査して満月の日には睡眠時間が4.1分長くなるという結果になっています。