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大豆に含まれるルナシンの経口摂取で転移性腫瘍が消滅

(2013年7月)"Journal of Cancer Therapy" に掲載されたイリノイ大学の研究(マウス実験)により、大豆ペプチドであるルナシン(lunasin)を経口投与(口から食べさせる)することで転移性腫瘍(他の腫瘍から転移してきた腫瘍)を減らせることが示されました。

体重1キロあたりルナシンを20ミリグラム投与するだけで、転移性腫瘍の数を94%(18→1)も減らせたのです。

以前の研究

この研究グループが以前に行った研究では、ルナシン(注射により投与)をオキサリプラチンという抗がん剤と併用することで、肝臓の転移性腫瘍の減少量が(オキサリプラチンだけの場合と比べて)6倍になるという結果が出ていました。

研究者は次のように述べています:
「あの研究では、ルナシンがガン細胞に食い込み、(ガン細胞の)細胞死を引き起こすこと、そしてルナシンが転移の準備のできた(ガンの?)細胞の受容体(少なくとも1種類)と相互作用することが明らかになりました」
今回の研究

今回の研究では、ヒトの結腸ガン細胞を注射されたマウスを用いて、ルナシンを経口で投与した場合の効果を調べました。

まず、マウスに体重1キロあたり8ミリグラムのルナシンを毎日エサとして与えたところ、肝臓の腫瘍(結腸から肝臓に転移したものでしょう)が55%減りました。

次に、ルナシンの投与量を5回増量して20mgにまで増やしたところで、転移性腫瘍の減少量が94%にまで達しました(結腸から肝臓に転移した腫瘍のうちの94%が消滅したということでしょう)。

ルナシンの摂取について

体重1キロあたり20~30ミリグラムのルナシンを大豆食品から摂ろうとすると、大変な量を食べる必要があります。 しかし、「ルナシン強化小麦粉」というのがすでに流通していることから、ルナシンを強化した豆乳やヨーグルトが開発されることが期待されます。

研究グループは、日常的にルナシンを摂取していればガンの発症や転移の抑制に大いに役立つと考えています:
「マウスにルナシンを食べさせたのは僅か28日間です。 それであれだけの効果があったのです。」
研究者によると、ルナシンは体組織、特に肝臓に蓄積するため、(今回マウスに摂らせたほど膨大な量でなくても)大豆食品を日頃から継続的に摂取しているとガンの予防に有効である可能性があります。
今後

今回の研究では比較対照用のグループを用いておらず、統計学的には不備があるため、さらに研究が必要となります。

研究グループは今後、研究資金を得られ次第、ルナシンの量を体重1キロあたり30ミリグラムにまで増やして、実験を繰り返す予定です。
「94%の腫瘍が消滅したとはいえ、1つでも残っていれば大問題なわけですから。」

研究グループは資金を得られ次第、ガンを発症しやすいように遺伝子改造したマウスに、生まれたときからルナシンを食べさせて、ルナシンを与えない対照群と比較するという研究や、ヒトを対象とする研究を行うことも予定しています。