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肺ガン予防に運動は有益だが、仕事で体を動かすのは有害?

(2017年3月) "Cancer Causes & Control" 誌に掲載されたモントリオール大学などの研究で、運動習慣があると肺ガンのリスクが低い一方で、仕事に伴う身体活動を行う場合には肺ガンのリスクが高いという結果になりました。

研究の方法

肺ガンと診断された患者 1,351人と肺ガンではない男女727人のデータを用いて、身体活動量と肺ガンのリスクの関係を調べました。

データの分析においては、喫煙習慣などの生活習慣や、職場でさらされる発がん性物質の量、その他の生活状況などを考慮しました。

結果

運動(余暇に行う身体活動)の量に応じてデータを3つのグループに分けて比較した中で、運動量が最も少ないグループに比べて、運動量が最も多いグループは男女ともに肺ガンのリスク(オッズ比)が低くなっていました。 リスクの低下幅は、男性では34%、女性では45%でした。

ところが、仕事で行う身体活動については、身体活動量が多い男性は肺ガンのリスクが96%高いという結果でした。 どのタイプ(組織型)の肺ガンでも同じようにリスクが増加していました。

女性では仕事で行う身体活動量と肺ガンのリスクの間に関係が見られませんでした。

解説

これまでの研究でも運動習慣があると肺ガンになりにくいことが示されていましたが、身体活動の種類についてまで踏み込んで調べた研究はあまり行われていませんでした。

心臓・血管の健康に関しては、仕事で発生する身体活動と余暇に行う運動とを区別した研究がこれまでに複数行われていますが、こうした研究では「運動は高血圧や心臓病の予防に有益だが、仕事として行う身体活動は血圧や心臓の健康にとってマイナスである」という結果になっています。

今回の研究は研究チームにとっても意外な結果となりましたが、今後の研究で今回の結果を確認する必要があります。