肺水腫は胎児の肺に逆行して肺に水が注入される病気だった

St. Michael's Hospital というカナダの病院の研究により、肺水腫という肺に水が溜まる病気で、肺に水が溜まる(出て行かない)だけでなく、水が積極的に入って来ていることが明らかにされました。

ヒトの肺は通常、気腔(肺で空気が占めるスペースのこと)から液体を排出します。 これまで、肺水腫ではこの排出機能が停止するだけだと考えられてきましたが、実際には、肺のポンプ機能が狂ってしまって、排出機能が停止するだけでなく、逆に液体が肺に注入されていたのです。

したがって、研究者によると、肺水腫に対しては、狂ってしまった肺のポンプ機能を停止するという治療が有効となります。

今回の発見により、ラシックスという薬が肺水腫に対して有効である理由もわかりました。 この薬はこれまで、腎臓をターゲットにすることで作用すると考えられてきましたが、実際には肺の狂ったポンプ機能を止めることで作用していたのです。

研究者によると、この肺に液体を注入するというポンプの働きは、胎児の肺で行われていることに似ています。 胎児が胎内にいるあいだ、胎児の肺は液体を肺の中に注入します。 そして胎児が生まれてから、このポンプ機能の働きが逆転して、肺から液体を排除するように作動するのです。

つまり、肺水腫というのは、大人の肺のポンプ機能が胎児の肺のように作動してしまう逆行現象だというわけです。