冬生まれの人は肺機能の低下するペースが速い

(2016年2月) "PLOS ONE" に掲載されたバーゼル大学(スイス)などの研究によると、冬生まれの人や年齢が近い弟あるいは妹がいる人は肺機能が速いペースで低下してゆきます。
Dratva J, Zemp E, Dharmage SC, Accordini S, Burdet L, Gislason T, et al. (2016) Early Life Origins of Lung Ageing: Early Life Exposures and Lung Function Decline in Adulthood in Two European Cohorts Aged 28-73 Years. PLoS ONE 11(1): e0145127. doi:10.1371/journal.pone.0145127 (Licensed under CC BY 4.0)
研究の方法

欧州各地に住む28~73才の男女 12,862人を対象に、約9~11年間の期間を挟んで肺機能の測定と生活状況や健康状態などに関するアンケートを2回行いました。

結果

冬生まれの人では9~11年間におけるFEV1(*)の低下幅が、冬生まれでない人に比べて1年あたり2.04ml(10年で20mlほど)大きくなっていました。

他にも、比較的高齢の母親から生まれた人(1年あたり1.82ml)や妊娠中に喫煙していた母親から生まれた人(1年あたり1.82ml)、年齢が2才未満しか離れていない弟や妹がいる人(1年あたり2.61ml)でもFEV1の低下幅が大きくなっていました。

これらの結果は、当該の要因以外の要因(†)と年齢・性別・喫煙量・体重などの諸要因を考慮したうえでのものです。

(*) 努力呼気肺活量。 1秒あたりの最大呼気量のこと。

(†) 例えば、冬生まれがFEV1の変化に及ぼす影響を分析する時には、母親の妊娠中の喫煙状況・年齢や兄弟の有無などの要因を考慮した。
肺機能が衰えやすい人は喫煙の悪影響が大きい

出産前後の要因により肺機能が衰えやすい人に喫煙習慣がある場合には、肺機能の衰えがいっそう顕著でした。 肺機能が衰えやすい人は大気汚染の影響も受けやすいと考えられます。

解説
冬生まれの人の肺機能が衰えやすいのは、胎児のときにウイルスやアレルギー原因物質にさらされたり生後数ヶ月以内に呼吸器感染症にかかることが多いためかもしれません。 冬季に母体がビタミンD不足になりがちなのも関係している可能性があります。