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ルテインに身体活動量を増やす効果? (システマティック・レビュー)

(2018年8月) 南オーストラリア大学の研究グループが "Nutrients" 誌に発表したシステマティック・レビューによると、ルテインには人を運動に駆り立てる効果があるかもしれません。

ルテインとは

ルテインはβカロチンやリコピンなどと同じカロテノイドの一種です。 カロテノイドは緑黄色野菜・果物・卵などに含まれている物質で抗炎症作用や抗酸化能力を有しています。

ルテインを最も多く含む食品はトウモロコシです。 トウモロコシ以外ではルテインは、ホウレン草・ケール・ズッキーニ・ブロッコリー・アスパラガス・かぼちゃなどの緑黄色野菜、卵の黄身、キウィやブドウなどの果物に豊富に含まれています。

レビューの方法

ルテインの摂取量あるいは血中濃度と身体活動の状況との関係を調べた17の研究(*)のデータを調査しました。
(*) ルテインが身体活動量に及ぼす影響を調べることを主目的としたのは1つ(おそらく下記の "Nutrients" 誌 2014年の研究)だけ。

結果

17のうち11の研究で、ルテインの摂取量が多かったり血中濃度が高かったりすると身体活動量が多いという結果でした。

ルテインと身体活動量の状況を客観的な手段(血中濃度と加速度計)で把握した研究は2つだけでしたが、この2つの研究ではそれぞれ、ルテイン血中濃度と身体活動量との間に中程度の相関関係(γ=0.36)が見られるという結果(1)と、ルテイン血中濃度が最大のグループは最少のグループに比べて身体活動量(1日の歩行量)が57%以上であるという結果(2)になっています。

(1) "Nutrients" 誌(2014年)に掲載された研究。ランダム化比較試験。今回の研究者(Jonathan D. Buckley)や日本大学の研究者も関わっている。

(2) "Public Health Nutrition" 誌(2016年)に掲載されたクロス・セクショナル研究。

(ルテイン摂取量や身体活動量を)アンケートで調査した研究では、ルテイン摂取量と身体活動量とのあいだに比較的弱い相関関係(γ=0.06~0.25)が見られるという結果や、ルテイン摂取量が多いと身体活動量が多い(摂取量最大の場合には最少の場合に比べて18%~600%多い)という結果になっています。

単なる相関関係ではない?

研究チームは「ルテインが身体活動量に影響を及ぼすのではないか?」という仮説を立てています。 この仮説の根拠は次のようなものです:
  1. ルテインは血液脳関門(血液と脳の組織液との間の物質交換を制限する機構)を通過して、ヒトの行動を制御する脳領域(前頭皮質など)に蓄積する。
  2. ルテインに「ニューロンの機能面での性質を調節してニューロン間の連絡に影響する」という作用のある可能性が過去の研究で示されている。 この作用は、ルテインの認知機能への有益性を説明する材料であるが、ヒトの行動(身体活動量)にも影響を及ぼす可能性がある。
ルテインを摂取すると運動量が増える?」にも、ルテインが身体活動量を左右するという仮説に関する記述があります。 「ルテインを摂取すると運動量が増える?」の元ネタとなった研究論文(前出の Jonathan D. Buckley が関わっている)は、今回の論文に参考文献として用いられています。