リコピンが放射線の有害性を緩和

(2016年4月) "FEBS Letters" 誌に掲載されたマンチェスター大学などの研究で、トマトなどの野菜や果物に含まれているリコピンという赤色の色素に放射線の有害性を緩和する効果のあることが明らかになりました。

カロテノイドと放射線
最近の研究により、食事に含まれるカロテノイド(リコピンもその一種)に放射線の有害な作用を弱める効果があるのではないかと期待され始めています。 今後の研究しだいではカロテノイドを、ガンの放射線治療による副作用や原発事故などによる放射性物質への被爆の影響を軽減するのに利用できる可能性があります。
リコピン自体にも抗ガン作用があります。
今回の研究

この研究では、リコピンがガンマ線(ガンの治療にも用いられるし、原子爆弾からも放出される)の照射に対する保護効果を有することと、放射線の影響から身を守るのに食事で摂取したリコピンが有益である可能性とが示されました。 ただし、酸素濃度が高いとリコピンのこの効果は弱まります。

コメント
研究者は次のように述べています:
「低酸素濃度の状態においてリコピンがガンマ線照射からヒト細胞を効率的に保護することが示されました。 固形腫瘍(*)でのみ酸素濃度を高めて腫瘍を狙い撃ちするという利用法が考えられます」 参考記事: 運動によってガン腫瘍への酸素供給量が増加する
(*) 白血病などの液性腫瘍以外の腫瘍。 ガン全体の80%が固形腫瘍。
リコピンを摂るには
リコピンを豊富に含むトマトを油で調理して食べるとよいでしょう。 油によりリコピンが体内に吸収されやすくなります。 カルシウムがリコピンの吸収を妨げるという話もあります。