(2017年10月) "Scientific Reports" に掲載された中国の研究で、マグネシウムの血中濃度が低い人は糖尿病のリスクが高いという結果になっています。
研究の方法
中国に住む男女 4,447人(健常者 2,105人、糖尿病前症患者867人、2型糖尿病患者 1,475人)のマグネシウム血中濃度などを調べました。
研究の方法
健常者・糖尿病前症患者・2型糖尿病患者の順にマグネシウム血中濃度が低いという結果でした。
さらに、マグネシウム血中濃度に応じて4つのグループに分けてリスクを比較したところ、マグネシウム血中濃度が最低(20.5mg/L未満)のグループに比べて他の3つのグループは、糖尿病前症のリスクが43~51%、そして2型糖尿病のリスクが74~85%低いという結果になりました。
マグネシウムについて
米国の場合、1日あたりのマグネシウム推奨摂取量は成人男性で400~420mg、成人女性で310~320mgですが、この推奨量を摂取できているのは国民の半数に過ぎません。
マグネシウムは、全粒穀物・野菜・魚・ナッツ類・ダークチョコレート(甘さが少なくカカオ含有量が多いチョコレート)などに含まれています。
マグネシウムと糖尿病リスク
インスリンの分泌にもインスリンの作用にもマグネシウムが関与していると考えられています。 また、それを裏付けるかのように、複数の研究でマグネシウムが不足していると2型糖尿病になるリスクが増加することが示されています。
ただし、Journal of Nutrition"(2015年)に掲載されたブラウン大学の研究では、マグネシウムの処理に関与する遺伝子のタイプによっては2型糖尿病のリスクがマグネシウム摂取量に影響されないという結果になっています。