(2017年9月) ピッツバーグ大学などの研究チームが男性の血液型とガンのリスクとの関係を調べた結果が "Plos One" に発表されています。
研究の方法
中国に住む男性1万8千人のガン発症状況を25年間にわたり追跡調査し、A型の血液型と他の血液型とで各種のガンになるリスクを比較しました。
結果
25年間のうちに4千人弱がガンになりました。
ガン全体
B型でのみ、統計学的に有意にA型よりもガンのリスクが低下していました(-9%)。 AB型やO型もA型よりガンのリスクが低い傾向にありましたが、統計学的に有意な結果ではありませんでした。
ガンの種類別
- B型: A型に比べて、胃ガンのリスクが25%、大腸ガンのリスクが22%、膀胱ガンのリスクが36%低下していました。
- AB型: A型に比べて、大腸ガンのリスクが32%低下していましたが、肝臓ガンのリスクが45%増加していました。
- O型: ガンの種類別に見てもA型と統計学的に有意なリスクの差が見られませんでした。
解説
血液型の決定に関与する遺伝子がガンのリスクにも影響するのだと考えられます。
類似研究
これまでの類似研究では、A型の人に口腔ガン・食道ガン・胃ガン・頭頸部ガンが多いことや、A型またはAB型の人で鼻咽頭ガンの発症リスクが高くなること、O型の人に肝臓ガンや皮膚ガンが多いことなどが示されています。
また、2017年にハーバード大学が発表した研究では、女性に限りO型の人は他の血液型の人に比べて、腎臓ガンの中でも一般的な腎細胞ガンになるリスクが1.5倍であるという結果になっています。
ガン以外にも、認知機能・糖尿病・心臓病・脳卒中などのリスクや寿命や生殖能力が血液型により異なるという科学的なデータが存在します。