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少なくとも男性では、飽和脂肪の摂取量が多くても冠動脈疾患による死亡リスクは増えない

(2016年10月) 英米では 1970年代後半から、冠動脈疾患(心臓病)のリスクを減らすことを目的として食事脂肪の摂取量を減らすことが推奨されていますが、"British Journal of Sports Medicine" に掲載された西スコットランド大学の研究(システマティック・レビュー)によると、この推奨を裏付ける根拠が無いかもしれません。 少なくとも男性では飽和脂肪の摂取量が冠動脈疾患の死亡リスクに影響しないという結果だったのです。出典: Evidence from prospective cohort studies does not support current dietary fat guidelines...

同じ研究チームが今年(2016年)発表した2つのシステマティック・レビューでも、同様の結果となっています。

レビューの方法
食事脂肪とコレステロール値や冠動脈疾患発症リスクとの関係について調べた7つの前向き研究のデータを調査しました。 データに含まれる人数は9万人近く(*)で、追跡期間は平均で約12年間でした。 追跡期間中に発生した死亡件数は2千件超、冠動脈疾患による死亡率は2.25%でした。
(*) 心臓病の病歴が無い人のみ。 94%が男性。
結果

食事脂肪の総摂取量についても飽和脂肪の摂取量についても、統計学的に有意となる関係が冠動脈疾患による死亡リスクとの間に見られませんでした(RR=1.04, 95%CI 0.98~1.10 と RR=1.08, 95%CI 0.94~1.25)。

利害関係
今年の1月に発表された米国食事ガイドラインの内容が食肉業界からの政治的圧力のために変更されているという話があるので、今回の研究に食肉や乳製品(*)の業界が関係しているのかどうかが気になりましたが、今回の研究チームが今年の8月に "open heart" 誌に発表した研究(上述の2つのレビューのうちの一方)によると、研究チームと食肉や乳製品の業界との間には資金関係が無い模様です(資金関係があってもそれを隠すというケースもあるそうですが)。
(*) 飽和脂肪は肉や乳製品に多く含まれる。