マンガンは多過ぎても少な過ぎても子供の知能発達に悪影響

(2015年4月) "Environmental Health Perspectives" 誌に掲載されたシンシナティ大学の研究で、マンガンの体内量は多過ぎても少な過ぎても子供の知能が低いという結果になりました。

研究者は次のように述べています:
「マンガンが多過ぎても少な過ぎても子供の神経系の発達に悪影響があると思われます。 マンガンは必要な栄養素であると同時に、過剰に存在すると神経毒になりますから、今回の結果も不思議ではありません」

マンガンは鉄鋼や、アルミ合金、バッテリー、肥料などの生産に幅広く用いられているほか、無鉛ガソリンにも添加されています。 今回の研究は、オハイオ州マリエッタ市付近で操業している金属製造会社に由来するマンガン汚染への懸念をきっかけとして行われました。

研究の方法
今回の研究ではオハイオ州のマリエッタ市およびケンブリッジ市に住む7~9才の子供404人を対象に、髪の毛と血液中に含まれるマンガンおよび鉛の量と、コチニンの血中量を検査しました。
コチニン
コチニンは、タバコの成分であるニコチンの代謝物です。 コチニンの血中量から受動喫煙などによるニコチンへの暴露量を知ることができます。

鉛とコチニンにも神経毒性があります。 これらの物質を検査項目に含めたのは、マンガンが子供の知能に及ぼす悪影響を割り出すうえでマンガン以外の物質による知能への影響を考慮するためです。

結果

データ全体を、血液および髪の毛から検出されたマンガンの量に応じて4つのグループに分けて、IQテストのスコアと照らし合わせたところ、マンガン量が最も多いグループはマンガン量が中程度だった2つのグループに比べてIQスコアが有意に低くなっていました。

マンガン量が最も少ないグループもマンガン量が中程度だった2つのグループよりもIQスコアが低い傾向にありましたが、こちらについては統計学的に有意と言えるほどではありませんでした。

ワーキングメモリーおよび言語理解については、マンガン量が最大のグループと最少のグループいずれも、マンガン量が中程度の2つのグループよりも成績が悪いという結果でした。