(*) 花粉やホコリなどのアレルギー原因物質が引き起こすアレルギー性の喘息。
研究の方法
9千人ほどの妊婦を対象に遊離糖(*)の摂取量を調べ、生まれた子供が7~9才になった頃に、子供に喘息・アトピー性皮膚炎・アレルギーなどが生じているかどうかを調査しました。
(*) WHOの定義によると、蜂蜜・シロップ・果物ジュースに天然に存在する糖類、および製造元や消費者が食品に添加する糖類。
そして、妊娠中における遊離糖の摂取量に応じてデータを5つのグループに分け、グループ間で喘息やアレルギーなどのリスクを比較しました。 データの分析においては、喘息やアレルギーなどのリスクに影響する様々な要因を考慮しました。
結果
喘息全体と妊娠中の遊離糖摂取量との間には明確な関係は見られませんでしたが、アトピー型喘息に限ると、遊離糖の摂取量が最も多いグループは最も少ないグループに比べてリスクが2倍に増加していました。
ダニやペットの毛によるアレルギーのリスクも38%増加していました。 アトピー性皮膚炎のリスクには違いが見られませんでした。
子供自身の遊離糖摂取量
これまでの研究の中には、子供自身の糖類摂取量が多いと本人の喘息のリスクが高くなるという結果になったものもありますが、今回の研究では子供自身の遊離糖摂取量と喘息やアレルギーのリスクとの間には関係が見られませんでした。
コメント
研究者は次のように述べています:
「今後の研究で今回の結果が確認されるまでは、妊娠中に糖分を摂ることに対して神経質になる必要はなく、糖分を摂り過ぎないようにだけ気を付けておけばよいでしょう」