軽度認知障害者はビタミンB12が不足気味だと記憶力が低下

(2016年2月) "American Journal of Clinical Nutrition" に掲載されたドイツの研究で、軽度認知障害(MCI)の患者はビタミンB12が不足気味であると記憶力が悪いという結果になりました。出典: Vitamin B-12 concentration, memory performance, and hippocampal structure...

研究の方法

50~80才のMCI患者100人(女性52人)を対象に、聴覚的言語学習テストと呼ばれるテストを用いて記憶力を調べました。 被験者のビタミンB12血中濃度は低い人から高い人まで様々で、血中濃度の中央値は304pmol/Lでした。 100人のうち86人については、MRI検査も実施して海馬の容積と微細構造を調べました。

結果

ビタミンB12が不足気味で血中濃度がかろうじて正常な範囲内にあるというMCI患者は、ビタミンB12の血中濃度が十分なMCI患者に比べて学習能力と認知能力が劣っていました。

ビタミンB12が不足気味のMCI患者では、海馬の微細構造の健全性も劣っていました。 研究チームの計算によると、ビタミンB12不足の患者に見られた記憶力低下の32~48%が海馬の微細構造の劣化によるものです。

年齢・性別・教育水準・ApoE-e4対立遺伝子・ホモシステイン(*)・葉酸・クレアチニンなどの要因を考慮しても結果は変わりませんでした。
(*) ホモシステインはアミノ酸の一種で、記憶障害がある人やアルツハイマー病患者で血中量が増加することが知られています。
留意点
ビタミンB12が欠乏していないMCI患者にビタミンB12を補給することで認知機能を改善できるかどうかは、今後の研究で別途に調べる必要があります。