MCTケトン食の癲癇への効果はケトンではなく中鎖脂肪酸によるもの

(2015年11月) 薬が効かない癲癇患者の発作を防ぐのに中鎖脂肪酸(MCT)ケトン食という食事法が有効であるとされていますが、"Brain" 誌に掲載されたロイヤル・ホロウェイ(英国)などの研究により、このMCTケトン食の癲癇への効果をもたらしているのがデカン酸であることがわかりました。

コメント
研究者は次のように述べています:
「MCTケトン食に含まれる各種の脂肪を調べた結果、既存の薬よりも発作をコントロールする効果が強い脂肪酸を特定できました。 副作用も薬より少ないかもしれません」
別の研究者は次のように述べています:
「今回の研究では、MCTケトン食の治療効果がおそらくケトンではなく脂肪酸によるものであることがわかりました。 この結果に基づき、もっと効果の高い食事法を開発できるかもしれません」
言葉の説明
MCTケトン食

MCTケトン食では、高脂肪で低炭水化物の食事(ケトン食)をします。 そして、この食事に用いられる脂肪が中鎖脂肪酸であるために「MCT」という言葉が入っています。

中鎖脂肪酸は長鎖脂肪酸よりもケトンを生産しやすいため、カロリーに占める脂肪の割合が比較的少なくて済みます。 他のケトン食よりも炭水化物やタンパク質の割合を増やすことができるため食事のバリエーションが増えます。

中鎖脂肪酸
Wikipedia によると中鎖脂肪酸には次の4種類があります。 デカン酸はそのうちの1つです。
  • カプロン酸(ヘキサン酸)
  • カプリル酸(オクタン酸)
  • カプリン酸(デカン酸
  • ラウリン酸(ドデカン酸)

中鎖脂肪酸はココナッツ油に豊富に含まれていますが、MCTオイルという精製油も市販されています。

デカン酸
デカン酸は上述のように中鎖脂肪酸の一種です。 デカン酸を豊富に含むのはココナッツ油で、Wikipedia によるとココナッツ油の脂肪分のうち最大で10%がデカン酸(*)です。 パーム・カーネル油(†)や哺乳類の乳にもデカン酸が含まれています。

(*) ココナッツ油に含まれる各種脂肪酸のうち量が最も多いのはラウリン酸です(最大52%)。

(†) パーム・カーネル油というのはパーム油とは別物で、パームの果肉ではなく種子から採れる油のことです。