メディテラネアン・ダイエットで心臓病や脳卒中の病歴がある人の死亡リスクが低下

(2016年8月) 欧州心臓学会で発表された IRCCS Neuromed(イタリア)の研究によると、冠動脈疾患や脳卒中などの心血管疾患の病歴がある人の死亡リスクを下げるのにメディテラネアン・ダイエット(MD)が有効かもしれません。

研究の方法

心血管疾患の病歴を有するイタリア人男女 1,200人ほどを対象に食事に関するアンケート調査を行い、食生活がMDにどの程度近いかに応じて点数をつけました(以下「MDスコア」)。 MDスコアは0~9点の10段階で、点数が高いほど食生活がMDに近くなります。

追跡期間; 考慮した要因

アンケート調査の後、7.3年間(中央値)にわたり死亡状況を追跡調査しました。 データの分析においては、追跡調査開始の時点における年齢・性別・カロリー摂取量・卵とジャガイモの摂取量・教育水準・運動量・腹部脂肪の量・喫煙習慣・血圧・血中脂質・ガンや糖尿病の有無といった要因を考慮しました。

結果

追跡期間中に発生した死亡件数は200件超でした。 MDスコアが2点増えるごとに、死亡リスク(死因は問わない)が21%低下していました。

また、MDスコアによってデータ全体を3つのグループ(*)に分けて死亡リスクを比較したところ、MDスコアが最高のグループは最低のグループに比べて死亡リスクが37%低くなっていました。
(*) MDスコアが0~3点のグループ、4~6点のグループ、7~9点のグループ。
食品カテゴリーごとの分析

さらに、MDを構成する食品カテゴリーごとに死亡リスクとの関係を調べたところ、死亡リスク低下との関係が顕著だった(死亡リスクの低下に貢献していると思われる)のは野菜・魚・果物・ナッツ類・一価不飽和脂肪酸(オリーブオイル)でした。

解説
今回の研究はMDと死亡リスクとの因果関係を調べたものではないため、死亡リスクが低下する原因がMDであると断言はできませんが、仮にそうであるとすれば、MDによって死亡リスクが低下するのは、MDで炎症が軽減されるために慢性疾患になりにくくなり、それが死亡リスクの低下につながっているのかもしれません。