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大腸ガンのリスクと肉や魚の摂取量との関係は単純ではない

(2017年8月) "Food & Nutrition Research" 誌に掲載されたルンド大学(スウェーデン)の研究で、各種の肉類の摂取量と大腸ガン(結腸ガンと直腸ガン)になるリスクとの関係が調査されています。

研究の方法

2万8千人近く(女性が1万7千人弱)を対象に、食生活に関するアンケート調査を実施して牛肉・豚肉・鶏肉・魚肉・赤身肉(*)の摂取量を把握したのち15年間ほどにわたり大腸ガンの発生状況を追跡調査しました。
(*) この研究での定義は不明ですが、おそらく牛肉と豚肉のトータル?

データの分析においては、牛肉・豚肉・鶏肉・赤身肉の各摂取量に応じてデータを5つのグループに分けて、グループ間で大腸ガンのリスクを比較しました。

結果

牛肉

摂取量が最少(0.4g/日)のグループに比べて最大(42.6g/日)のグループは、結腸ガンのリスクが40%低くなっていました(男女別では、女性が-40%で男性が-43%)。

ところが直腸ガンに関しては、男性に限り、摂取量が最も多いグループでリスクが82%増加していました。

豚肉

女性に限り、豚肉の摂取量が最少(3.7g/日)のグループに比べて最大(55.2g/日)のグループは、結腸ガンのリスクが56%高くなっていました。

直腸ガンのリスクと豚肉摂取量とのあいだには、男女ともに関係が見られませんでした。

赤身肉

赤身肉(ソーセージやベーコンなどの加工肉を含む)の摂取量と結腸ガンや直腸ガンのリスクとの間には明確な関係が見られませんでした。 しかし、どちらかと言えばリスクが増加する傾向にありました。

鶏肉

鶏肉の摂取量と結腸ガンや直腸ガンのリスクとの間には関係が見られませんでした。

魚肉

魚肉の摂取量と結腸ガンのリスクとの間には関係が見られませんでした。 直腸ガンに関しては、男女総合の分析では魚肉の摂取量が最大(81.4g/日)の場合に発症リスクが41%低いという結果だったものの、男女別の分析では男女のいずれについても統計学的に有意な結果となりませんでした。

結論

肉類の摂取量と大腸ガンの関係は、肉の種類・腫瘍の場所・性別によって異なる可能性があります。

関連研究

  • "JAMA Internal Medicine"(2015年)に掲載されたロマ・リンダ大学の研究では、米国に住む 77,659人のデータを分析して、ベジタリアン(菜食主義者)は全般的に大腸ガンのリスクが低いけれど、魚だけは食べるタイプのベジタリアンはリスク低下幅が特に大きく、非ベジタリアンに比べて-43%であるという結果になっています。
  • "Nutrition and Cancer" 誌(2017年)に掲載されたミラノ大学の研究では、大腸ガン患者4千人弱と大腸ガン以外の患者7千人弱のデータを分析して、加工肉を食べる量が1日あたり10g増えるごとに、大腸ガンの中でも近位結腸ガンに限り、リスクが9%増加するという結果になっています。
  • "Annals of Oncology"(2017年)に掲載されたテル・アビブ医療センター(イスラエル)の研究や、英国で行われ "European Journal of Cancer Prevention"(2014年)に掲載された研究によると、果物・野菜・魚を積極的に食べるだけでなく糖類脂肪分を大量に含を食品は控えるのも大腸ガンの予防に役立つと思われます。