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2型糖尿病のリスクは獣肉で増加し植物性タンパク質で低下する

(2017年4月) "British Journal of Nutrition" に掲載された東フィンランド大学の研究によると、動物性よりも植物性のタンパク質を食べるようにするのが2型糖尿病(以下「糖尿病」)の予防に有効かもしれません。

今回の研究において、肉類の摂取量が多い人で糖尿病のリスクが高かった一方で、植物性タンパク質の摂取量が多い人は糖尿病のリスクが低かったのです。

研究の方法

糖尿病ではない42~60才の男性 2,332人の食生活を調べたのち、19年間にわたって糖尿病の発症状況を追跡調査しました。

タンパク質の摂取量に応じてデータを4つのグループに分割し、糖尿病のリスクを比較しました。 データの分析においては、糖尿病の発症に影響する様々な要因を考慮しました。

結果

追跡期間中に432人が糖尿病と診断されました。

タンパク質の総摂取量(動物性+植物性)と糖尿病になるリスクとの間には関係が見られませんでした。

植物性タンパク質

植物性タンパク質(穀類や野菜に含まれるタンパク質)の摂取量が最も多かったグループに比べて最も少なかったグループは、糖尿病になるリスクが35%低くなっていました。

動物性タンパク質

動物性タンパク質全体(獣肉・魚肉・乳製品・卵)では摂取量と糖尿病リスクの間に関係が見られませんでした。

獣肉に限って分析すると、種類(*)を問わず摂取量が多いと糖尿病のリスクが高くなっていました。 に限った分析では逆に、摂取量が多いと糖尿病のリスクが低くなっていました(-33%)。
(*) 赤身肉・加工肉・鶏肉など。
動物性タンパク質 → 植物性タンパク質
研究チームの計算によると、1日に摂取する動物性タンパク質のうちの5gほど(*)の代わりに植物性タンパク質を食べるようにすると、糖尿病のリスクが18%低下します。

(*) 動物性食品の重量を5gというわけではなく、動物性食品に含まれるタンパク質の重量を5g。

例えばブタのモモ肉100g(調理前)に含まれるタンパク質は20gほどなので、ブタのモモ肉を食べる量を減らすことで動物性タンパク質の摂取量を5g減らそうとするなら、豚モモ肉を食べる量を25g減らす必要があります。
関連研究

これまでに複数の類似研究で、肉類などの動物性タンパク質を食べることが多いと糖尿病のリスクが高く、豆類などの植物性食品(ジャガイモや白米は除く)を食べることが多いと糖尿病のリスクが低いという結果になっています。 乳製品(特にヨーグルト)の摂取量が多いと糖尿病になりにくいという研究も複数存在します。

ハーバード大学などの研究チームが行い今回と同じ "British Journal of Nutrition"(2016年)に掲載されたメタ分析(過去に発表された複数の研究のまとめ)では、米国で行われた研究に限りを食べる量が多いと糖尿病のリスクが増加する(1日1個で+47%)という結果になっていますが、これは米国人の卵の調理法(例. フライド・エッグ)に問題があるためかもしれません。

食生活が酸性であると糖尿病のリスクが増加するという研究がありますが、こうした研究も今回の研究とある程度合致すると言えそうです。 動物性タンパク質や糖質が多い食事は酸性に傾き、野菜や果物が多い食事はアルカリ性に傾きます。

塩分が多い場合にも食事が酸性に傾きますが、 "Nutrients" 誌(2017年)に掲載された研究では、出された料理に塩をふりかけて食べる人は糖尿病になりやすいという結果になっています。